陸上自衛隊は26日、静岡県の東富士演習場で6月7日に実施する国内最大の実弾射撃演習「富士総合火力演習」(通称・総火演)において、主力戦車「10式戦車」の射撃訓練を見送ることを明らかにした。
10式戦車の事故が影響
10式戦車は、大分県の日出生台演習場で4月に発生した事故で、隊員4人が死傷する事態となった。現在も原因調査が継続中であり、安全面を考慮して今回の演習参加が見送られた。
陸上幕僚長の荒井正芳氏は26日の記者会見で、「重大な事故直後であり、当然の判断だ。安全確保に万全を期す」と述べ、事故調査の進展状況を踏まえた慎重な対応を強調した。
長射程ミサイル発射装置が初参加
一方、今回の演習では、反撃能力(敵基地攻撃能力)の一環として、3月から静岡県の富士駐屯地に配備された長射程ミサイル「25式高速滑空弾」の発射装置が初めて参加する。ただし、実射は行われず、展示的な参加にとどまる。
25式高速滑空弾は、敵のミサイル発射基地などを攻撃するための長射程ミサイルで、防衛力の強化策として注目されている。
富士総合火力演習の概要
富士総合火力演習は、陸上自衛隊が毎年実施する国内最大規模の実弾射撃演習で、戦車や装甲車、ヘリコプターなどが参加し、迫力ある訓練が行われる。今回の演習では、10式戦車の代わりに他の装備が射撃訓練を実施する予定だ。
陸自は、事故の再発防止策を徹底しつつ、国民の期待に応える演習を目指すとしている。



