深掘り「ドナルドだけ」笑顔で懐に飛び込む高市外交、専門家が読み解く振る舞い
深掘り「ドナルドだけ」笑顔で懐に飛び込む高市外交の特徴

首脳会談は、具体的な合意内容だけでなく、ファーストネームでの呼びかけやスキンシップといったトップ同士の関係構築にも注目が集まる。同盟国や同志国、隣国との首脳会談を通じて、高市早苗首相の外交における振る舞いの特徴が徐々に浮き彫りになってきた。首相の振る舞いをどのように読み解くのか。2人の専門家に意見を聞いた。

笑顔で相手の懐に飛び込むスタイル

「似合う!似合う!写真撮って」――19日、韓国南東部・安東を訪れた高市氏は、李在明大統領に自身の夫の出身地・福井県鯖江市のメガネを贈呈した。李氏がメガネをかけると、高市氏は大喜びし、ツーショット撮影を行った。これに先立つ共同記者発表では、高市氏は満面の笑みで成果を語った。さらに、次の日本での会談の開催地について「温泉にしようかな、どこにしようかな」と両手をグーにして顔に寄せながら、楽しげに話した。

親しみやすさを前面に押し出し、笑顔で相手の懐に飛び込んでいくスタイルが高市氏の特徴と言える。韓国・安東でのツーショット写真では、李氏が高市氏から贈られたメガネを着用し、高市氏は李氏のメガネを借りて共に笑顔を見せた。

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「破壊力のある笑顔」と評価される一方で

翌日の国会党首討論では、中道改革連合の小川淳也代表が「破壊力のある笑顔で各国首脳と渡り合ってこられた」と評し、「破壊力のある笑顔にやられそうだが」と前置きして高市氏と向き合った。初の女性首相である高市氏の外交の場での振る舞いをどう読み解くべきか。日米関係を中心とした外交の専門家と、政治とジェンダーに詳しい専門家の2人の視点から考察する。

ファーストネーム外交の実態

昨年10月の就任後、外遊や相手側の訪日の機会に合わせ、主要7カ国(G7)の首脳とすべて直接会談を行った。今年3月のホワイトハウスでの日米首脳会談では、高市氏は繰り返しトランプ大統領を「ドナルド」と呼びかけた。また、フランスのマクロン大統領には「エマニュエル」、イタリアのメローニ首相には「ジョルジャ」、英国のスターマー首相にも「キア」と、会談のたびにファーストネームで呼んでいる。これは「トランプ大統領」と呼んでいた石破茂前首相とは対照的だ。

ファーストネーム外交の狙い

専門家は、このファーストネーム外交について「国内世論向けのパフォーマンス」と指摘する。相手国との実際の関係構築よりも、国内でのリーダーシップアピールや親しみやすさの演出が目的ではないかと分析する。特にトランプ大統領に対しては、個人的な関係を強調することで、日米同盟の強化を印象づける意図があると見られる。

ジェンダーの視点から見る高市外交

政治とジェンダーに詳しい専門家は、高市氏の笑顔やスキンシップを「女性リーダーに求められる役割」の一環と捉える。一方で、こうした振る舞いが「弱さ」と誤解されるリスクも指摘する。しかし、高市氏はそれを逆手に取り、笑顔を武器に相手の懐に飛び込むことで、交渉を有利に進めている可能性がある。

今後の課題と展望

高市首相の外交スタイルは、従来の硬直的イメージを覆すものとして注目される。しかし、ファーストネームでの呼びかけが逆効果となるケースも想定されるため、相手国とのバランスが重要となる。今後の首脳会談でも、このスタイルがどのように機能するか、引き続き注目が集まる。

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