公益財団法人「正力厚生会」が公募した今年度のがん患者団体助成事業において、熱海市の特定非営利活動法人(NPO法人)「オレンジティ」が助成金交付先に選ばれた。同団体は女性特有のがんを経験した人々を支援する自助グループであり、その長年の活動が評価された形だ。
24年間の歩みと支援の輪
オレンジティは、河村裕美理事長(59)が自身の子宮頸がん罹患を機に、2002年に発足した。名称は静岡県特産のミカンと茶にちなんでおり、同じ体験をした県内の人々を支えたいという思いから名付けられた。現在では活動範囲が県外にも広がり、24年にわたってがんと向き合うノウハウや知識を蓄積してきた。
河村理事長は「女性のがんは治療で終わりではなく、後遺症が年齢とともに変化しながら続く。自分たちの経験を次世代に伝えることが重要だ」と語る。
多様なプログラムで包括支援
オレンジティでは、がんを患い混乱する女性たちに対し、生活や将来、費用などの課題を客観的に整理できる場を提供している。特に、同じ体験を持つ者同士が語り合い支え合う「ピア・サポート」を中心に、8つのプログラムを展開。脱毛や外見の変化に対応するメイク教室、再発・転移者のためのチャットルームなど、多様な取り組みを重層的に行っている。また、子どもを産めなくなった人には、特別養子縁組や里親制度の情報も提供している。
次世代への継承
河村理事長は60歳でトップを退く予定であり、「今までのノウハウや知見を残し、活用されることを見届けたい」と話している。今後もオレンジティの活動は、多くの女性がん体験者にとって心強い支えとなるだろう。
がん患者団体助成事業に関する問い合わせは、正力厚生会(電話03・3216・7122)まで。



