福島原発事故、浜通り4町村の約400ヘクタールで米作付け制限続く
福島原発事故、浜通り4町村で米作付け制限続く

東京電力福島第1原発事故の影響により、本県の浜通りで2026年産米の作付けなどに何らかの制限がかかっている区域は、飯舘村など4町村の約400ヘクタールとなっている。国と県は、それぞれの地域の実情や土地の特性に応じた支援策を充実させ、本格的な営農再開につなげることが重要だ。

段階的な営農再開の仕組み

原発事故の避難指示が解除された区域のコメの作付けは、農林水産省の方針に基づき、県が管理計画を作って段階的に進める仕組みになっている。用途を検査などにとどめる試験栽培から始まり、コメの放射線量に問題がない場合には、実証栽培に移行する。実証栽培では、検査を経てコメを出荷することが可能になる。

これまでは、平野部など農地が面的に広がる場所が主で、おおむね1年ごとに段階を踏み営農再開してきた。しかし現在、試験栽培や実証栽培が行われているのは、山間部に近い場所にある、かつて「特定復興再生拠点区域」だった農地に移っていて、作付けを次の段階に進めることは町村と生産者が協議し慎重に判断されている。

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山間部の課題と取り組み

浪江町の関係者は「山間部では農地ごとに水源が異なり、隣接する帰還困難区域から水を引く場合もある。地区内の複数の場所で栽培を試すなどの取り組みが必要になっている」と語る。国と県は、営農指導に加え、生産者らの意見を踏まえた周辺の環境整備も進めることで、水田農業の再生を後押ししてほしい。

実証栽培を終えると、収穫したコメを全量全袋検査して出荷する体制に移る。県の管理計画上では飯舘村の約50ヘクタールの地区が対象となっている。また、数年前に避難指示が解除された大熊町や富岡町などの地区では、県内の多くの地区で行われている抽出検査には移行しておらず、全量全袋検査が継続している状況だ。

放射性物質対策と今後の課題

放射性物質の吸収抑制対策が確立しているため、全量全袋検査でコメが基準値を超えることはなくなっている。ただ、稲が倒れた際に土がついたり、検査時に異物が混入したりすれば一定の数値が検出される可能性がある。県には、無用な風評を招かないためにも、生産者に管理の徹底を粘り強く呼びかけることを求めたい。

国は、2020年代に帰還困難区域に設定した「特定帰還居住区域」の避難指示解除を目指している。しかし、それらの場所での農地の扱いについては対応が決まっていない。これまで通りの営農再開ルールを適用することが妥当なのか、国は避難指示解除の前に方針を示さなければならない。

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