再審制度見直しで検察の抗告禁止を求める声が渋谷で高まる
2026年4月18日、東京・渋谷において、無実の人を救うための法改正を求めるイベント「ノーモア!えん罪 渋谷アクション」が開催された。この集会では、刑事裁判をやり直す「再審」制度を見直す政府の法案をめぐり、自民党内で議論が続く中、再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)を禁止するよう求める声が相次いだ。
袴田秀子さん「人間として考えて」と切実な訴え
袴田巌さんの姉である秀子さんは、集会で次のように訴えた。「再審開始になっても、検察が抗告するからまたぶり返し。(巌さんが)よくぞ生きていたと思う」とし、さらに「抗告はなしにして、証拠は全部出す。法務省は人間として考えていただきたい」と強調した。
袴田さんのケースでは、死刑確定から再審無罪まで44年を要し、そのうち9年は検察の抗告を受けた審理に費やされた。また、無罪につながる証拠が開示されたのは、初めての再審請求から29年後という長い時間がかかっている。
前川彰司さん「40年、空っぽな時間を過ごした」
福井女子中学生殺害事件で再審無罪となった前川彰司さんも登壇し、「(事件からの)40年は私にとって空白。何もない空っぽな時間を過ごした」と振り返った。前川さんは「警察、検察が無罪の証拠を隠していた。証拠はやはり全面開示じゃないか」と語り、証拠の透明性の重要性を指摘した。
前川さんの場合、検察が無罪につながる証拠を明かさないまま、再審開始決定に抗告した経緯がある。集会後の取材で、前川さんは政府の修正案について「非常に長い言い回しを使っているが、抗告できる。あくまでも全面禁止すべきだ」と述べ、抗告禁止の徹底を求めた。
政府法案と自民党の動向
政府が提出した法案は、検察の抗告を維持する内容となっているが、自民党内からは抗告禁止を求める声が上がり、現在、修正作業が続けられている。この集会は、そうした政治的な動きに市民の声を反映させる場として機能し、冤罪救済に向けた法整備の緊急性を浮き彫りにした。
集会では、参加者たちが再審制度の見直しを求めるプラカードを掲げ、熱心に議論を交わす様子が見られた。袴田秀子さんや前川彰司さんの訴えは、多くの聴衆に深い共感を呼び、法改正への機運を高める一助となった。



