生活保護減額は違法と高裁判断 和歌山の受給者勝訴、一審支持
生活保護費の基準額引き下げは生存権を保障する憲法に違反するとして、和歌山市の受給者らが市の減額処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は21日、生活保護法に違反するとして処分を取り消した一審和歌山地裁判決を支持し、市側の控訴を棄却しました。国に対する1人5万円の損害賠償請求は一審に続き退けられています。
最高裁の統一判断を踏襲
同種訴訟は全国各地で提起されており、最高裁判所は昨年6月、厚生労働省が物価変動率のみを指標とした「デフレ調整」による減額は違法だと認める統一判断を示していました。今回の大阪高裁の判決は、この最高裁の判断を明確に踏襲した形となります。
高裁の田中健治裁判長は、減額処分が行政の裁量権の範囲を逸脱しており、違法であると厳しく指摘しました。この判断により、生活保護制度における受給者の権利保護がさらに強化される見通しです。
各地で続く訴訟の動向
生活保護費の減額をめぐる訴訟は、国や自治体の財政圧縮策と生存権の狭間で注目を集めてきました。今回の大阪高裁の判決は、同様の訴訟が進行している他の地域にも大きな影響を与える可能性が高いとみられています。
特に、デフレ調整を理由とした一方的な減額が、憲法が保障する最低限度の生活を脅かす行為として違法と断じた点は、今後の社会保障政策の在り方に一石を投じる内容となっています。
和歌山市の受給者らは、減額処分によって生活が著しく圧迫されたと訴えており、今回の勝訴判決はそうした切実な声に応える形となりました。一方で、国への損害賠償請求が認められなかった点は、今後の課題として残されています。



