自民党は、次期衆院選の政権公約に、防衛費を国内総生産(GDP)比2%に倍増する方針を明記する方向で調整していることが、28日、関係者への取材で明らかになった。財源は赤字国債の発行で賄い、当面は増税を見送る方針だ。
防衛力強化の具体策
政府・与党は、2023年度から5年間の防衛費総額を約43兆円とする方針を決定しているが、今回の公約では、さらに踏み込み、中長期的にGDP比2%を達成する目標を掲げる。具体的には、スタンド・オフ防衛能力の強化、無人機の大量保有、サイバー・宇宙領域での能力向上などが柱となる。
防衛費の増額は、安全保障環境の悪化を踏まえたもので、与党内では「抑止力強化は不可避」との意見が大勢を占める。一方で、財源問題は難航が予想される。政府は当初、増税による財源確保を検討していたが、物価高や経済への影響を考慮し、今回は国債発行で対応する方針に転換した。
財政規律への懸念
しかし、赤字国債の増発は、国の借金をさらに膨らませることになり、財政規律を重視する立場からは懸念の声も上がっている。自民党内のベテラン議員は「将来世代にツケを回すだけだ」と批判する。公約には、防衛費増額と併せて、経済成長による税収増で財政再建を目指す方針も盛り込まれる見通しだ。
公約は、来月にも取りまとめられる予定で、与野党の攻防が激しくなりそうだ。野党側は「増税なき防衛費増額は無責任だ」と反発しており、今後の議論が注目される。



