社会保障国民会議で制度設計が進む「給付付き税額控除」だが、その「つなぎ」として実施するとしているのが消費減税だ。高市早苗首相の「悲願」だが、衆院選の公約通り「ゼロ」をめざすのか、スピードを優先して「1%」に方針転換するのかが焦点になっている。
与野党が参加する社会保障国民会議では6月中にも、食料品の消費税ゼロと給付付き税額控除の導入に向けた中間とりまとめを予定している。首相は20日の党首討論で「中間取りまとめが出てき次第、政府としては法律案を提出いたします。アズスーンアズ・ポッシブル(できるだけ早く)で頑張ってまいります」と述べた。
首相がこだわる早期実現の課題として、レジ改修にかかる時間が挙げられる。消費税をゼロにする場合、全国の小売店でシステム変更が必要となり、1年以上かかるとの試算がある。一方、1%への引き下げであれば、改修は比較的短期間で済む可能性がある。このため、与党内では「1%推し」の声が目立ち始めている。
しかし、公約に掲げた「食料品の消費税ゼロ」を変更すれば、支持層からの反発が予想される。首相は「悲願」と繰り返し、ゼロ実現に固執する姿勢を見せるが、党内からは「スピードを優先すべきだ」との意見も出ている。
社会保障国民会議の実務者会議では、与野党の議員らが激論を交わした。議長を務める小野寺五典・自民党税調会長は、中間取りまとめに向けて調整を進めている。政府は早期の法案提出を目指すが、与党内の意見の相違が今後の焦点となる。
また、消費減税の財源問題も浮上している。ゼロにすれば年間数兆円の税収減が見込まれ、給付付き税額控除との併用でさらなる財源が必要になる。1%ならば減収幅は抑えられるが、効果は限定的との指摘もある。
首相は「とにかくやる」と意気込むが、国民会議の参加者からは「本音は1%ではないか」との声も漏れる。今後の議論の行方が注目される。



