世界で活躍する日本人をいかに増やすか――。外務省が、国連など国際機関で働く邦人職員の維持・拡大に力を注いでいる。国際機関をとりまく状況は、トランプ米政権が脱退を表明し、人員や予算が縮小傾向にある一方、中国が影響力を拡大させるなど、日本にとって逆風が吹く。国連機関はルールを作る機能をもつだけに、「いまが正念場」(外務省幹部)だ。
茂木外相が国連幹部に直接要請
茂木敏充外相は20日、外務省を訪れたグテーレス国連事務総長や国連開発計画(UNDP)など16の機関のトップらに訴えた。「我が国として人的にも更なる国際貢献を果たす用意があり、改めて邦人職員の採用・昇進に配慮をお願いしたい」と述べ、日本人の採用拡大を求めた。グテーレス氏らはアジアで初めて東京で開かれた国連内部の幹部会のために訪日しており、異例の機会を活用した形だ。
トランプ政権の影響と中国の台頭
トランプ政権は国連への拠出額を大幅に削減する方針を示し、66の国連機関や国際機関などからの脱退を指示する大統領令に署名。国連機関は財政難に直面している。国連は事務職員らの約20%にあたる約2600人超の職員のポストを削減する方針だ。組織の統廃合も検討されており、縮小されればポスト獲得の「争奪戦」も予想される。「抜けた穴を中国が狙ってくる」と警戒する声もある。
この機に乗じて中国は影響力を強めており、日本人職員のポストがさらに減少するリスクがある。外務省は国際機関での日本人プレゼンス向上を最優先課題と位置づけ、積極的な働きかけを続けている。



