南アフリカ、G20会合への参加見送り 議長国米国が承認を拒否
米ブルームバーグ通信は12日、米首都ワシントンで16日に開催予定の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に、南アフリカが参加しないと報じた。南アフリカのエノック・ゴドングワーナ財務相が取材に対し、「今年の議長国を務める米国が私たちの参加を認めていない」と明らかにしたという。
異例の措置、今年いっぱいの不参加を示唆
ゴドングワーナ財務相はさらに、「この決定は、今年いっぱいはG20会合に南アフリカが参加しないことを意味する」と述べ、短期的な問題ではなく、2026年を通じた影響があることを示唆した。議長国がG20メンバー国の参加を認めないのは、国際的な経済協調の場において極めて異例な措置と見られている。
背景には、ドナルド・トランプ米大統領の一方的な主張がある。トランプ大統領は、南アフリカにおいて白人に対する人権侵害があると繰り返し指摘しており、昨年11月には自身の交流サイト(SNS)で、今年12月に米南部フロリダ州で開催予定のG20首脳会議に南アフリカを参加させないと表明していた。
国際経済協調への影響懸念
この決定は、G20としての結束や国際経済政策の調整に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。G20は世界の主要経済国が集まり、金融安定や成長戦略を話し合う重要な枠組みであり、メンバー国の排除はその機能を損なう恐れがある。
南アフリカはアフリカ大陸を代表する経済国の一つとして、これまでG20で開発問題や気候変動対策などにおいて積極的な役割を果たしてきた。そのため、今回の不参加は、アフリカ諸国の声が国際舞台で十分に反映されなくなる懸念も生じさせている。
関係者によれば、米国政府は公式なコメントを控えているが、外交筋ではトランプ政権の「アメリカ・ファースト」政策の一環として、人権問題を理由に同盟国に対しても厳しい姿勢を示す傾向が強まっていると分析されている。
今後の展開として、南アフリカ政府は他のG20メンバー国との二国間協議を通じて状況の打開を図る可能性があるが、議長国である米国の態度が変わらない限り、年内の会合への参加は困難な情勢だ。国際社会では、経済問題と人権問題を混同することへの批判の声も上がっており、今後のG20の在り方に大きな課題を投げかけている。



