2027年卒就活、選考解禁も企業はAI活用で採用減…「量より質」へシフト
2027年卒就活、選考解禁も企業はAI活用で採用減へ

2027年春に卒業予定の大学生らを対象とした企業の採用選考が6月1日に解禁された。すでに就活生の約7割が内々定を獲得しており、選考の早期化が一段と進む一方、企業の採用意欲は3年連続で低下。空前の「売り手市場」にも変化の兆しが見え始めている。

住友生命が対面面接を本格化

大阪市中央区にある住友生命保険の本社では、1日から対面での面接が本格的に始まった。同社は東京でも面接を実施し、総合キャリア職として約100人を採用する予定だ。面接会場では、「入社後のキャリアイメージは?」「全国転勤への考えは?」といった質問が飛び交った。採用担当の丸田大輔さん(30)は「健康増進など非保険事業にも注力する中、新しいことに挑戦できる学生を採用したい」と語った。

政府ルールは形骸化、早期化進む

政府は経団連などの経済界に対し、学業への配慮から会社説明会を3月1日、採用選考を6月1日に解禁するよう求めている。しかし、企業と学生双方の事情で前倒しが進み、このルールは形骸化している。就職情報会社マイナビの調査によると、4月末時点で内々定を持つ学生の割合は70.9%に達し、2026年卒より0.9ポイント、2025年卒より6.6ポイント上昇した。

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企業アンケートで「採用減」が増加

今年春に本紙が主要企業123社を対象に行ったアンケートでは、採用人数を「増やす」と回答した企業が19%で3年連続減少。一方、「減らす」との回答は18%で3年連続増加した。背景には、中東情勢悪化による短期的な経営リスクへの警戒や、AI(人工知能)による業務効率化の進展がある。企業は新卒採用で「量より質」を重視し始めているとみられる。

ロイヤルホテル、クボタが採用削減

ロイヤルホテルはグループ全体で前年度比25%減の約120人を採用予定。担当者は「宿泊部門でシステム効率化を進めたほか、大阪・関西万博に向けここ数年採用を増やしてきたため」と説明した。クボタも大卒・大学院卒の採用を60人と75%減らす。担当者は「人員が充足し、今後は成長事業へ重点的に再配置する」と述べた。

学生のAI活用が急増、企業もAI面接導入

マイナビが2027年卒予定の学生に行った調査では、志望動機のチェックや面接対策にAIを活用した割合が84.9%に上り、2024年卒の18.4%から4倍以上に増加。企業側でも、採用担当者の負担軽減や客観的な選考を目的に「AI面接」を導入するケースが相次いでいる。

SBI北尾会長「よほど優秀でないと採用するな」

金融大手SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は今年3月、業務でのAI活用を念頭に「今度の採用から大幅に減らすことを絶対命令とする。よほど優秀な人材でないと採用するなと言っている」と述べ、採用の絞り込みを明確にした。

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