【そもそも解説】人材派遣とは?規制緩和で広がり、過去には問題も
人材派遣とは?規制緩和で広がり、過去には問題も

人材派遣の料金でカルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、派遣大手5社に立ち入り検査を実施しました。派遣業とはどのような仕組みなのでしょうか。本記事では、その基本から歴史、規制緩和の影響、過去の問題点までを詳しく解説します。

人材派遣とは?

正確には「労働者派遣」と呼ばれます。派遣会社に雇用され、実際には別の企業に派遣されて働く形態です。雇用主としての責任は派遣会社にあり、賃金の支払いや社会保険料の負担を行います。一方、実際の働き方を指揮するのは派遣先の企業です。この制度は、1985年に労働者派遣法が制定されるまでは原則禁止されていました。

なぜ禁止されていたのか?

自社の支配下にある労働者を別の会社で働かせることで、本来労働者が受け取るべき賃金の「ピンハネ」や強制労働が横行する恐れがあったからです。実際、戦前にはこうした問題が発生していました。1947年に制定された職業安定法は、労働組合以外がこうした事業を行うことを禁止しました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

なぜ認められるようになったのか?

産業のサービス化やオフィスオートメーション(OA)化の進展に伴い、専門的なスキルを持つ人材を柔軟に活用したいという企業のニーズが高まりました。また、労働者側も自分の都合に合わせて働きたいという希望が増えたことから、規制緩和が進みました。1985年の労働者派遣法では、対象業務を限定して解禁。その後、1996年には対象業務が拡大され、1999年には原則自由化されました。2004年には製造業への派遣も解禁され、派遣業は急速に拡大しました。

過去にどのような問題があったのか?

規制緩和に伴い、様々な問題が顕在化しました。代表的なものとして、偽装請負(派遣先が直接指揮命令しているにもかかわらず、請負契約と偽る行為)や、日雇い派遣(短期間の派遣で不安定な雇用を生む)、派遣切り(景気後退時に派遣社員が真っ先に解雇される)などが挙げられます。2008年のリーマンショック時には、多くの派遣社員が雇い止めに遭い、社会的な問題となりました。

今回のカルテル疑惑とは?

公正取引委員会は、派遣大手5社が派遣料金の価格調整を行っていた疑いがあるとして、立ち入り検査を行いました。これは独占禁止法で禁止されている「不当な取引制限」に当たる可能性があります。派遣料金は、派遣会社が派遣先企業に請求する金額であり、これが人為的に操作されていた場合、労働者の賃金にも影響を及ぼす恐れがあります。

今後の展望

派遣業界は、働き方改革の流れの中で、同一労働同一賃金の原則が適用されるなど、規制が強化される方向にあります。しかし、今回のカルテル疑惑は、業界の透明性や公正な競争に疑問を投げかけるものです。今後の調査結果が注目されます。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ