NISA格差拡大、年収や地域で投資額に大きなばらつき いつの間にか富裕層も出現
NISA格差拡大、年収や地域で投資額に大きなばらつき

家計の株式や投資信託の保有額が増加している。2024年のNISA(少額投資非課税制度)拡充と最近の株価上昇により、「貯蓄から投資へ」と個人マネーが向かっている。しかし、地域や年収によって投資への関心や余力に大きな違いがあることが、最新データから浮かび上がってきた。

家計調査で見る投資額の増加

総務省が2025年5月にまとめた「家計調査」によると、2人以上勤労者世帯の平均貯蓄額は前年比8.7%増の1717万円。そのうち株式や投資信託などの有価証券保有額は25.4%増の370万円に達した。2024年の34.1%増に続く大幅な伸びで、投資熱の高まりを示している。

年収別の有価証券保有状況

有価証券額を年収帯別に見ると、低所得層から高所得層まで全体的に二桁の伸び率を示した。しかし、有価証券が貯蓄全体に占める割合は、低年収層で約15%であるのに対し、高年収層では約30%と大きな開きがある。投資に回せる資金の余力の差が如実に表れている。

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新NISAの利用実態

日本証券業協会が2025年2月に公表した調査では、新NISAのつみたて投資枠での年間購入額について、年収300万円未満の人の4割が10万円未満だった。一方、年収1000万円以上の人は4割が上限の120万円をフル活用しており、年収による投資行動の差が顕著だ。

地域によるNISA口座開設率の差

金融庁と総務省の統計から都道府県別のNISA口座開設率を推計すると、東京、神奈川、奈良、兵庫で30%前後と高い一方、青森、岩手、北海道では17%未満と低い。地域差が生まれる背景には、金融機関のアクセスや投資教育の浸透度の違いが考えられる。

いつの間にか富裕層になるケースも

格差が拡大する中でも、普通の会社員から「いつの間にか富裕層」になるケースが増えているとの指摘もある。漫画家・辛酸なめ子氏は「格差は拡大しているが、他の国に比べ極端ではない。富裕層が増え、夢がある」とコメント。一方、批評家の杉田俊介氏は「労働の価値が軽んじられ、投資で生き延びることを強いられる社会に警鐘を鳴らす」と述べている。

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