読売新聞社が公表する日本株の株価指数「読売333」。投資情報サイト「トレーダーズ・ウェブ」などを運営する「DZHフィナンシャルリサーチ」の日本株アナリスト、小松弘和氏が毎週月曜に前週を振り返りながら、読売333の値動きを解説する。構成銘柄の動向も詳しく紹介し、日本株市場の「今」が分かる。
先週の読売333:2026年5月25日週の週間騰落率
読売333は週間で2・4%高となった。日経平均は4・7%高、TOPIXは1・7%高だった。
週初の25日には株買いの勢いが強まり、日経平均とTOPIXが史上最高値を更新した。米国で主要3指数の高値更新基調が続いたことが安心材料となった。その反動で、火曜から木曜までは不安定な地合いが続いた。しかし、原油価格が下落し、米国の長期金利に上昇一服感が出る中、金曜28日には米国株高を追い風に再びリスクオンの様相が強まった。読売333、日経平均、TOPIXがそろって史上最高値を更新した。
ソフトバンクグループ(9984)や電子部品株など大型グロース株の動きが良く、これらが強いとパフォーマンスが向上しやすい日経平均が大幅上昇した。AI関連一極集中だったところから物色には広がりが出てきており、読売333は日経平均ほどではなかったものの強い動きを見せた。長期金利の上昇にブレーキがかかったことで銀行株が売られ、時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすいTOPIXが3指数の中では見劣りする動きとなった。
2026年5月25日週の日本株3指数の比較
個別株の動向を見ると、AI関連としての認知度が高まった電子部品株が人気化し、太陽誘電(6976)が週間で6割を超える上昇となった。村田製作所(6981)やTDK(6762)などとともに騰勢を強めた。電子部品の裾野も広がり、ローム(6963)や京セラ(6971)などが大幅上昇した。証券会社が目標株価を引き上げたSUMCO(3436)が急騰した。
一方、証券会社が投資判断を引き下げたかんぽ生命保険(7181)が大幅安となった。中東のリスク後退により原油価格が下落基調を強めたことから、原油との連動性が高いINPEX(1605)が売りに押された。
構成銘柄紹介
村田製作所(6981):電子部品株の注目度が高まる中、週間で35%高と急騰した。アナリスト向けに開催した説明会などから、同社が強みを持つMLCC(積層セラミックコンデンサ)関連製品の需要拡大に対する期待が高まった。週後半にかけて鋭角的に水準を切り上げ、29日には一時ストップ高となった。1万円の節目を上回る場面もあった。時価総額は約18兆8900億円。
セイコーエプソン(6724):インクジェットプリンタ大手。世界的なプリンタ需要減退に対する懸念から、株価は長く低迷が続いていた。しかし、本決算で今期の大幅増益計画が提示されたことから、5月前半に強く買われて安値圏を脱出した。先週は証券会社の目標株価引き上げなどを追い風に、一段と水準を切り上げた。時価総額は約1兆0900億円。
読売333とは
「読売333」は、読売新聞社が公表する新たな株価指数である。最大の特徴は、333銘柄をすべて同じ比率(約0・3%)で組み入れる「等ウェート型」という算出方法で、野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングが算出実務を担っている。国内のすべての上場株式の中から、売買代金と浮動株時価総額によって銘柄選定が行われている。年4回ウェート調整を行い、毎年1回、11月の最終金曜日に銘柄入れ替えを実施する。
執筆者紹介:小松弘和(こまつ・ひろかず)氏は、投資情報サイト「トレーダーズ・ウェブ」などを運営する「株式会社DZHフィナンシャルリサーチ」の日本株情報部アナリスト。証券会社、生命保険会社勤務のほか、マネーサイトでの株式分析経験などがあり、金融全般に精通している。



