ジヤトコ、脱日産依存に向け新事業本格化
自動車用変速機大手で日産自動車の主要子会社であるジヤトコ(富士市)が、四輪以外への部品供給を今年本格化させる。将来の電気自動車(EV)シフトに伴い、主力の変速機需要減少は避けられない。同社は生き残りと日産依存からの脱却を目指し、「自動車部品以外の新事業で売上高の1割を」との目標を掲げている。
電動アシスト自転車向け駆動システムを開発
4月には、同社が初めて開発した電動アシスト自転車用駆動システム(ドライブユニット)を搭載した新製品が、自転車専業メーカーのホダカ(埼玉県越谷市)から発売された。さらに6月には、子会社「ジヤトコ広州」が中国企業と共同開発したドライブユニットを搭載した電動バイクが、中国国内で販売を開始する。
これらのドライブユニットには、四輪市場での激しい競争の中で磨かれた変速機と電動化の技術が応用されている。電動アシスト自転車では、通常は別々の位置にある変速機器とアシスト用モーターを一体化・小型化することに成功。自転車後輪の車軸部分という狭いスペースに収まるように設計された。プロジェクト責任者の岡本宗幸氏(46)は、「スタイリッシュなだけでなく、坂道での走行安定性を向上させる世界に先駆けた機能」と説明する。
現在は手動による3段変速だが、1年後をめどに自動変速も実現させる予定だ。「車ほどではなくても、オートマチックを歓迎する需要が見込める」と岡本氏は話す。
欧州市場を主ターゲットに
主なターゲットは、自転車を趣味とする人口が多い欧州市場だ。日本市場は「ママチャリ」と呼ばれる日常利用の廉価モデルが約9割を占め、ブリヂストン、パナソニック、ヤマハの先行3ブランドが「三強」を構成しており、壁は高い。電動バイクは中国を皮切りに、将来的にはインドなどの市場も見据える。こちらは2速自動変速で、日常の移動手段を求めるユーザーがターゲットだ。
同じドライブユニットでも、電動アシスト自転車と電動バイクでは「求められるモーター出力などが全く異なる」(岡本氏)ため、社内では別のチームと理念の下で開発が進められている。



