「黒いダイヤ」から「赤いダイヤ」へ、長崎・高島がトマトで再生を目指す
「黒いダイヤ」から「赤いダイヤ」へ、長崎・高島がトマトで再生

長崎市南部の離島・高島は、かつて「黒いダイヤ」と呼ばれた石炭で栄えたが、40年前の炭鉱閉山後は人口減少と高齢化に直面している。そんな中、島の新たな名物として「赤いダイヤモンド」と称される高糖度トマトが注目を集めている。

潮風が育む極上トマト

長崎港からフェリーで約30分の高島。港から車でほど近い「たかしま農園」では、秋に植えられたトマトが実っている。同農園で働く鎌田一優さん(32)は「高島で育てたトマトは潮風を受け、甘く育つ」と魅力を語る。アンデス山脈原産のトマトを栽培し、「たかしまフルーティトマト」として販売。最上級の「ハートの女王」は糖度10度以上で、従来のトマトとは一線を画す甘みが特徴だ。

炭鉱の島からトマトの島へ

高島はかつて、近くの端島(軍艦島)とともに石炭採掘で栄え、両島で2万人以上が暮らした。しかし1986年の閉山後、人口は急減し、昨年末には225人まで減少。高齢化も進む中、1992年に旧高島町などが出資した第三セクターがトマト栽培を開始。2005年には崎永海運が事業を継承し、1ヘクタールの敷地で栽培を始めた。2013年に「たかしま農園」として本格始動し、現在は0.8ヘクタールで年間約40トンを収穫している。

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独自の栽培技術と物流

島の土壌は石炭くずが堆積した「ぼた」で水はけが良すぎるため、粘土質の赤土を混ぜて調整。収穫したトマトは同社のタグボートで島外へ運搬する。また、フェリーターミナルの喫茶店ではトマトうどんやトマトジュースを販売し、夏の海水浴シーズンに向けてトマトアイスやジュースを提供する店舗も準備中だ。

地域活性化への思い

鎌田さんは「トマト栽培を通じて島のPRや雇用につなげたい」と、島民をアルバイトで雇用したり、小中学生に収穫体験を提供したりしている。「トマトが窓口となって島へ来てもらうため、魅力ある農園を作りたい」と意気込む。かつての「黒いダイヤ」に代わり、新たな「赤いダイヤ」が高島の未来を照らす。

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