核のごみ処分場調査、小笠原村にNPOが独自調査を要望 地域主体の判断求める
核ごみ処分場調査でNPOが小笠原村に独自調査要望 (09.04.2026)

核廃棄物処分場問題でNPOが地域主体の調査を要望

原子力発電所から発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定をめぐり、東京都小笠原村に新たな動きが生じている。経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)が南鳥島での文献調査実施を申し入れている問題について、NPO法人「小笠原自然文化研究所」が2026年4月9日、渋谷正昭村長に対し、村独自の調査実施を求める文書を提出した。

村民自らが調べ判断する時間が必要

同研究所が提出した文書では、「村民自らが調べて理解し、話し合って判断する時間が必要」と強く訴えている。特に、国による文献調査の受け入れ是非を議論する前に、南鳥島に関する知見や情報が不足している現状を指摘。「丁寧に時間をかけたプロセスが重要」と強調し、急ぎすぎた判断を戒めている。

渋谷村長はこれまで、「村民や村議会の意見などを踏まえながら判断する」との姿勢を示していた。しかし、3月に国が開催した説明会では、村民から「一方的な説明だけで、賛成も反対も村民の意見集約の場がないまま結論を出すのは筋が違う」といった不安の声が上がっていた経緯がある。

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貴重な自然環境への懸念も指摘

文書ではさらに、南鳥島の自然環境への影響について具体的な懸念が示されている。同島は海鳥の重要な繁殖地であり、固有種の生息地としても知られる。処分場建設によって、こうした貴重な自然環境が損なわれる可能性が指摘されている。

小笠原諸島は2011年に世界自然遺産に登録されており、その生態系の保全は国際的にも注目されている。研究所側は、環境影響評価が不十分なまま進められることを危惧している。

地域主体の調査で情報を自ら得る必要性

同研究所の鈴木創副理事長は、「地域が主体となった調査をし、受け入れについて判断できる情報を自ら得る必要がある」と述べている。国からの情報提供だけに依存するのではなく、村民自身が調査に参加し、客観的なデータを収集することの重要性を強調した。

この要望は、単に調査の延期を求めるものではなく、意思決定プロセスそのもののあり方を見直す提案となっている。地域コミュニティが重大な決定に関与する際の、民主的な手続きの在り方が問われている。

南鳥島は小笠原諸島の最東端に位置する孤島で、父島から約1,200キロ離れている。唯一の定期客船「おがさわら丸」が就航する父島の二見港からも遠く離れた場所にあり、地理的条件も課題となっている。

国はこれまで、核のごみ最終処分場の候補地選定を進めてきたが、各地で住民の反対に直面し、難航している。小笠原村への申し入れは、こうした状況の中で新たな候補地として浮上した経緯がある。

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