千葉・九十九里沖でCCS試掘調査開始へ 首都圏のCO2地中貯留事業が前進
千葉・九十九里沖でCCS試掘調査開始へ CO2貯留事業前進

九十九里沖でCCS試掘調査が7月から開始へ 首都圏のCO2地中貯留事業が具体化

千葉県の九十九里沖において、工場などから排出される二酸化炭素(CO2)を地中深くに貯留する「CCS事業」の試掘調査が、2024年7月から開始される見通しとなった。事業主体である「首都圏CCS」(本社:千葉市)が、経済産業省からCCS事業法に基づく試掘許可を取得し、事業概要を正式に発表した。

試掘の詳細と計画の全体像

試掘調査は、九十九里町の沖合約5キロと13キロの2カ所で実施される。井戸の深さは約1600メートルから1900メートルに及び、海上に設置する着底式やぐらを用いた掘削作業が行われる。この調査により、地層へのCO2貯留の適性や想定される貯留量の評価・分析が進められる。

試掘期間は2024年7月から2025年1月までを予定しており、終了後は井戸を埋め戻す計画だ。調査結果を踏まえ、事業化の最終判断が下される。事業化が実現すれば、2030年代初頭に貯留を開始し、当初は年間120万トン、将来的には同500万トンのCO2を回収・貯留できる見込みである。

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事業の意義と環境への配慮

CCS事業は、製鉄所など脱炭素化が困難な産業から排出されるCO2を分離・回収し、地中深くの適切な地層に注入して閉じ込める技術を指す。首都圏CCSが計画する事業では、京葉臨海工業地帯の工場からパイプラインでCO2を輸送し、九十九里沖の地中に貯留する構想となっている。

同社の屋義昭社長は記者会見で、「脱炭素化の難しい産業からCO2を受け取る意義ある事業であり、日本の脱炭素化に貢献したい」と述べた。海洋環境や漁業への影響については、「環境に十分配慮して試掘などを進める。地域の皆様からは様々な意見があると承知しており、丁寧に説明を重ねていきたい」と語り、慎重な姿勢を示した。

今後の展開と社会的な期待

経済産業省からの試掘許可は2024年4月15日付で交付された。これにより、首都圏CCSは実施計画の認可を得次第、速やかに試掘調査に着手する方針だ。同社は、環境アセスメントを徹底し、地域との対話を継続しながら事業を推進していく構えを見せている。

このCCS事業は、気候変動対策の一環として国際的にも注目を集めており、日本における大規模なCO2削減の実現に向けた重要なステップと位置付けられている。今後の試掘調査の進捗が、日本の脱炭素社会への道筋に大きな影響を与えることが期待される。

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