小笠原村長、核廃棄物処分場調査で国の判断を容認
2026年4月13日、東京都小笠原村の渋谷正昭村長は、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に関する重要な見解を表明した。南鳥島での文献調査を実施すると国が判断した場合、村として受け入れる考えを明らかにしたのである。
村民説明会での発言内容
渋谷村長は13日に父島と母島で開催された村民向け説明会において、「文献調査を実施するかどうかは、国が主体的に、かつ責任をもって判断するべきだ」と述べた。この発言は、国の判断を容認する姿勢を明確に示すものであった。
報道陣からの取材に対し、村長は判断の経緯について詳しく説明した。「首長として判断する負担が強いという思いもあった」と認めつつ、地域内の多様な意見を集約することの難しさがあったと語った。その上で、「地域任せにすることなく、国が責任をもって取り組むのであれば、いろんな意見をきちんと受け止め、国が判断をするべきだ」との結論に至ったという。
国に対する具体的な要望
渋谷村長は国に対して、以下のような具体的な要望も示した:
- 小笠原村以外の自治体にも文献調査を申し入れること
- 新たな申し入れがない限り、次の段階である概要調査についての意見表明は行わないこと
- 文献調査の実施が、即座に最終処分場の建設決定を意味するわけではないことを国が確約すること
これらの要望の背景には、国主導で文献調査の実施を申し入れた自治体が現在のところ小笠原村のみであるという状況がある。このため村民の間には、「南鳥島に最終処分場が建設されるのでは」、「文献調査を受け入れると後戻りできなくなるのでは」といった懸念が広がっていた。
議論の深化を期待
渋谷村長は、国が他の自治体にも調査を申し入れることで、核のごみ処分問題に関する社会的議論が深まることを期待していると説明した。小笠原村だけが焦点となる現状を変え、より広範な検討が行われるべきだとの考えを示したのである。
母島で開催された説明会では、村長が自身の見解を丁寧に説明する様子が、村の公式ユーチューブチャンネルを通じて配信された。村民一人ひとりがこの重大な問題について理解を深める機会となった。
今回の表明は、国と地方自治体の責任分担を明確にした点で意義深い。核のごみという国家的課題に対し、地域だけに負担を押し付けるのではなく、国が主体的な役割を果たすべきだというメッセージが強く込められている。



