欧州でジェット燃料逼迫が深刻化 IEA事務局長が「残り6週間」と緊急警告
国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は4月16日、中東情勢の緊迫化に伴い、欧州地域でジェット燃料の供給が逼迫していると警鐘を鳴らしました。ビロル氏は、残りの供給期間について「恐らく6週間程度だ」と述べ、石油供給の混乱が継続する場合、近い将来に航空便の欠航が発生する可能性があるとの見解を示しました。
中東情勢の悪化が供給網に打撃
この逼迫の背景には、中東地域における緊張の高まりがあります。米国とイスラエルが2月末にイランを攻撃したことを受け、イランは報復として湾岸諸国への攻撃を実施し、エネルギー関連施設に被害が生じています。この一連の攻撃が、ジェット燃料を含む石油製品の供給網に深刻な影響を与えているのです。
ビロル事務局長は、仮に和平が成立したとしても、交戦開始前の水準まで生産が回復するには「最長で2年程度かかる」と指摘しました。さらに、迅速な回復を想定することは「楽観的すぎる」と厳しくくぎを刺し、長期的な視点での対応が必要であることを強調しました。
国際水路の自由航行にも懸念
ビロル氏は、ホルムズ海峡を通る船舶からの通航料の徴収に反対する考えも明らかにしました。同氏は、このような徴収が先例となれば、東南アジアのマラッカ海峡など他の国際水路にも適用される可能性があり、自由な航行を妨げる恐れがあると懸念を示しています。国際的なエネルギー供給の安定性を維持するためには、こうした水路の安全確保が不可欠であると述べました。
今回の警告は、AP通信のインタビューで語られたものです。欧州を中心とした航空業界は、燃料不足による運航への影響を最小限に抑えるため、早急な対策が求められています。国際社会は、中東情勢の安定化とエネルギー供給網の回復に向けた取り組みを加速させる必要に迫られているのです。



