肝硬変治療に新たな光、長崎大が肝細胞若返り再生治療の臨床研究を開始
肝硬変治療に新たな光、長崎大が再生治療の臨床研究開始

肝硬変治療の新たな選択肢、長崎大学が再生医療の臨床研究を開始

肝硬変患者の肝細胞を若返らせる再生治療に向けて、長崎大学を中心とする研究チームが2026年4月6日、臨床研究の開始を発表しました。この画期的な治療法は、肝移植以外の根本的な治療として期待されており、5年から10年後の実用化を目指しています。

肝硬変の現状と治療の課題

肝硬変は、肝臓の組織が硬くなる「線維化」が進行することで発症し、機能が低下する深刻な疾患です。長崎大学病院肝胆膵・移植外科の江口晋教授によると、現在の根本的な治療法は肝移植に限られています。日本では年間約500件の肝移植が行われていますが、ドナー不足などの問題から、多くの患者が移植を受けられずに亡くなるケースが後を絶ちません。

再生治療の仕組みと特徴

この再生治療は、国立がん研究センターが2017年に発見した技術を基にしています。肝細胞に3種類の化合物を加えることで、増殖能力が高い「肝前駆細胞」と呼ばれる若い細胞に変化させ、肝臓を再生させるものです。若返らせた細胞は「CLiP(クリップ)細胞」と名付けられ、発がんリスクが低いという特徴があります。

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江口教授らのチームは、損傷した肝臓からCLiP細胞を作り出す方法を解明し、人と臓器のサイズが近いブタを使った実験で、線維化の抑制などの効果を確認しています。

臨床研究の詳細と展望

臨床研究は、20歳から80歳の中等症の肝硬変患者3人を対象に実施されます。具体的な手順は以下の通りです。

  • 腹腔鏡を用いて30グラムの肝組織を採取します。
  • 薬剤を加え、約90日間にわたりCLiP細胞を培養します。
  • 培養した細胞を肝臓に戻し、約1年間の経過を観察して安全性などを調査します。

記者会見で江口教授は、「患者に大きな負担なく治療ができる点が大きな利点です。肝硬変の患者に新たな治療の選択肢を示したいと考えています」と述べ、この再生治療が医療現場に革新をもたらす可能性に言及しました。

この研究は、九州地域から発信される医療技術の進歩として注目を集めており、将来的には肝臓疾患の治療法を大きく変える可能性を秘めています。

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