名古屋市は、人工知能(AI)を活用した業務効率化プロジェクトを本格的に始動させることを発表した。この取り組みは、職員の事務作業負担を大幅に軽減し、より質の高い市民サービスの提供を目指すものだ。市は2025年度からの本格導入を目標に掲げており、現在、複数の部署で試験運用を進めている。
AI導入の背景と目的
名古屋市では、職員の業務量増加や複雑化が課題となっている。特に、文書作成やデータ入力、問い合わせ対応などの定型業務に多くの時間が割かれており、職員の負担が大きい。そこで、AI技術を導入することで、これらの業務を自動化・効率化し、職員がより創造的で専門性の高い業務に集中できる環境を整えることを目的としている。
具体的な活用事例
現在、試験運用が行われているのは、主に以下の3つの分野である。
- 文書作成支援:AIが過去の文書やデータを学習し、議会答弁書や報告書の下書きを自動生成。職員は内容の確認や修正に注力できる。
- データ入力自動化:申請書類などの手書き文字をAIが認識し、システムへの入力を自動化。これにより、入力ミスの削減と作業時間の短縮が期待される。
- 問い合わせ対応:市民からのよくある質問に対して、AIチャットボットが自動応答。職員は複雑な問い合わせに集中できる。
期待される効果と今後の展開
市の試算によれば、これらのAI導入により、年間で約10万時間の業務削減が見込まれている。これにより、職員の残業時間削減やワークライフバランスの向上が期待される。また、市民サービス面では、問い合わせ対応の迅速化や手続きの簡素化が図られる。
名古屋市は、2024年度中に試験運用の結果を検証し、2025年度からの本格導入を目指す。さらに、他都市への展開も視野に入れており、自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)のモデルケースとなることを目指している。
このプロジェクトは、名古屋市のデジタル戦略の一環として位置づけられており、今後もAI技術の積極的な活用を進める方針だ。



