東京都は、人工知能(AI)を活用した子育て支援の新たなシステムを導入する方針を固めた。保育園の入所申し込みと空き状況のマッチング精度を高め、待機児童の解消につなげるのが狙いだ。2026年度から段階的に運用を始める。
AIマッチングで待機児童削減
現在、都内の保育園入所は保護者が希望園を選び、自治体が調整する方式だが、希望が集中する園に落ちるケースが後を絶たない。新システムでは、AIが過去の入所データや保護者の勤務地、兄弟姉妹の在籍状況などを分析し、最適な園を提案する。これにより、従来よりも迅速かつ公平な調整が可能になるという。
個別支援計画も自動作成
さらに、発達に課題がある子ども向けの個別支援計画も、AIがひな型を自動作成。保育士の負担軽減と質の向上を両立させる。東京都の担当者は「子育て世帯の負担を減らし、誰もが安心して子どもを預けられる環境を整えたい」と話す。
システム開発には、複数のIT企業が協力。個人情報保護に配慮し、データは匿名化して扱う。2026年度に一部区市で試験運用を開始し、2028年度以降に都内全域へ拡大する予定だ。
子育て支援のデジタル化加速
東京都はこれまでも、子育てアプリの配信やオンライン相談などデジタル化を進めてきた。今回のAI導入はその一環で、少子化対策の柱として位置づける。待機児童数は近年減少傾向にあるが、依然としてゼロにはなっていない。AIの活用で、よりきめ細かな支援が期待される。
一方、専門家からは「AIの判断に偏りがないか検証が必要」「保護者の選択肢を狭める恐れがある」との指摘も出ている。都は、人間の判断を尊重する仕組みを併用し、透明性を確保するとしている。



