男性社員が育児休業を取得したものの、育児をせずに遊びに興じている――そんな「取るだけ育休」が話題を呼んでいる。読売新聞のユーザー投稿サイト「発言小町」に寄せられた投稿を基に、その問題点を専門家が解説する。
育休中の男性社員がビリヤード場に
30代の会社員女性「あじさい」さんは、仕事帰りに立ち寄ったビリヤード場で、同じ会社の40代男性Aさんがポーカーをしているのを目撃した。Aさんは育児休業中で、施設のオーナーによると「開店(13時)から閉店間際(23時)までいることもある」という。あじさいさんは「育休中にお昼から夜遅くまで遊ぶってどうなんでしょうか」とモヤモヤした気持ちを打ち明け、他のユーザーに意見を求めた。
コメントは賛否両論
この投稿には50件を超えるコメントが寄せられ、辛口の意見が目立った。「私なら迷わず即会社に報告です!そんな不届き者は遠方へ飛ばされるかクビになってしまえばよろしい」(禰豆子さん)「張り切って育休を取ったはいいものの、奥さんに邪魔だから家にいないでと言われたとか」(白子ポン酢さん)「本当に育児をせず、ただただ休んで給付金を得ているのだとしたら、就業規則違反や不正受給の対象になるでしょうが、不正の証明は難しいですからね」(不正の温床さん)など、批判的な声が相次いだ。
一方で、「休暇の使い方は個人の自由。報告されたって会社はどうにもできませんよ」(もっさんさん)「育休中をどう過ごそうが自由でしょう。もしかしたら、夜泣き対応で夜はしっかり育児してるのかもしれない」(命の母さん)「男性でも女性でも、産休育休の時に息抜きをしたらダメというルールはありません」(のむらさん)といった擁護意見も見られた。
専門家「育休と有給休暇は混同しないで」
家事シェア研究家の三木智有さんは、「育休と普通の有給休暇は混同しない方がよい」と指摘する。育休は育児介護休業法に基づき、休業期間中は無給だが、雇用保険から育児給付金が支払われる。2025年4月からは、両親が14日以上の育休を取得するなどの条件で、手取り実質10割の給付が可能になる新制度も始まった。
三木さんは「給付金の原資は、子どもがいない人も含む全ての労働者と事業主が支払っている雇用保険料。『育休中に何をしたって自由』というのはおかしい」と強調する。
復職を見据えた過ごし方を
三木さんは、育休の過ごし方を「前半は赤ちゃんとの生活に集中、後半は復職後の予行演習」と分けて考えることを推奨する。具体的には、パートナーの助けなしで家事・育児を一人で回す「ワンオペ育児の交代体験」が有効だという。そうすることで、パートナーの帰りを待ちわびる気持ちを理解し、復職後の家庭不和を防ぐことができる。
育休中の息抜き自体は悪いことではないが、育休が終わっても育児は続く。職場復帰を見据え、夫婦でしっかり話し合い、計画的に過ごすことが「取るだけ育休」と言われないための鍵となるだろう。



