愛知県が牛のげっぷから出るメタンガス測定設備を開発 飼料開発で温室効果ガス削減へ
愛知県は、牛のげっぷに含まれるメタンガスの削減を目指し、排出量を測定する新たな設備を開発し、県農業総合試験場(長久手市)でお披露目しました。この設備は、メタンガスを削減する飼料の開発などに活用される見込みです。
メタンガスの温室効果と農業分野での排出実態
メタンガスは二酸化炭素(CO2)の約28倍もの温室効果を持つとされ、牛などの家畜に由来する排出が全体の約3割を占めています。同試験場によると、牛は胃の中の微生物が穀物や牧草を発酵させて消化する過程でメタンガスが発生し、その排出量は1頭あたり1日に300~600リットルに達するといいます。
農林水産省のデータでは、2022年度に農林水産分野で国内から排出された温室効果ガスはCO2換算で4790万トンに上り、このうち半分近くが水田や牛のげっぷから出るメタンガスとされています。
政府と県の削減目標と具体的な取り組み
政府は2030年度までに農林水産分野の温室効果ガスを3.5%削減する目標を掲げており、愛知県も「あいち地球温暖化防止戦略2030」を策定し、2024年度からメタンガス削減に向けた実証事業に取り組んでいます。
今回完成した測定設備は、約1億6000万円を投じて製作され、24時間体制で牛がどれだけメタンガスを排出しているかを継続的に測定することが可能です。これにより、飼料の効果を科学的に評価し、効率的な削減策の開発が期待されています。
飼料開発と試験販売の計画
愛知県は、メタンガス削減に向けた取り組みの一環として、カシューナッツ殻液が入った飼料を食べた乳牛から生産された高付加価値の牛乳を、乳業メーカーの中央製乳(愛知県豊橋市)と共同で6月にも全国で初めて試験販売する予定です。カシューナッツ殻液は、メタンガスの削減効果が確認されている成分として注目されています。
さらに将来的には、メタンガスの抑制効果が報告されている同県産のギンナンなどの未利用資源を活用し、独自の飼料開発を目指す方針です。これにより、地域資源の有効活用と環境負荷低減の両立を図ることが狙いです。
知事のコメントと今後の展望
8日に設備を視察した大村秀章知事は、「工場や家庭だけでなく農業分野でもカーボンニュートラルに積極的に取り組んでいきたい」と述べ、農業における温室効果ガス削減への意欲を示しました。この新設備を活用した研究が進むことで、持続可能な農業の実現と気候変動対策への貢献が期待されます。



