釧路市のサーモン養殖実証実験、水揚げ率70.8%を達成 事業化へ手法確立を目指す
釧路サーモン養殖、水揚げ率70.8% 事業化へ前進

釧路市のサーモン養殖実証実験、水揚げ率70.8%を達成 事業化へ手法確立を目指す

北海道釧路市の釧路港で進められているトラウトサーモン(ニジマス)の養殖実証実験において、2025年度の水揚げ率が70.8%に達したことが明らかになりました。この実証実験は2026年度が5年間の最終年度を迎え、市水産課は「高水温対策など養殖の手法を確立し、事業化に生かしたい」と意気込んでいます。

実証実験の詳細と成果

養殖プロジェクトは、釧路市や水産団体で構成される協議会、水産商社のニチモウ(東京)などが2022年度に開始しました。2025年度には、6月に500グラムから1.2キログラムのトラウトサーモン1万5000匹をいけすに投入し、8月から11月にかけて平均1.84キログラムに成長した1万614匹を水揚げしました。養殖の適水温上限である20度を超える22度を記録したものの、水揚げ率は7割を維持することができました。

釧路地域での養殖は近年、「海洋熱波」と呼ばれる水温の急激な上昇に悩まされてきました。2023年度には水温が23.9度まで上昇し、水揚げ率はわずか37.3%に留まりました。しかし、その後は以下のような試行錯誤を重ねることで改善を図っています:

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  • 淡水で育てた魚を海水に慣れさせる時間を長く取り、ストレスを軽減
  • 「夏バテ」した魚に餌を与えすぎないことで、無駄な体力の消耗を防止

これらの対策により、2024年度には水揚げ率が92.5%に向上するなど、着実な成果が表れています。

今後の計画と市場戦略

最終年度となる2026年度には、いけすを3基から5基に増設し、投入する魚の数を前年度比1.7倍から2倍(2万5000匹から3万匹)に拡大する計画です。これにより、安定供給を通じた販路拡大を目指しています。

全国各地で「ご当地サーモン」が乱立する中、冷たい親潮に覆われる道東の太平洋岸では、秋頃まで大きく育てることが可能です。この地理的特性を活かし、春から夏にかけて出荷がメインとなる本州産サーモンが品薄になる時期に、釧路産を高値で販売できる優位性を見込んでいます。協議会などは、この釧路産サーモンを「くしろ 茜(あかね) サーモン」と名付け、差別化を図ることで市場での競争力を高めようとしています。

釧路市のサーモン養殖実証実験は、持続可能な水産業の確立に向けた重要な一歩として注目を集めており、今後の事業化への期待が高まっています。

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