苫小牧市と北海道、GX事業の作業員宿舎確保へ国家戦略特区認定を内閣府に提案
苫小牧市と道、GX作業員宿舎確保で特区案を内閣府に提出 (07.04.2026)

GX事業拡大で作業員宿泊施設が深刻な不足 苫小牧市と北海道が特区認定を要請

北海道苫小牧市では、グリーントランスフォーメーション(GX)関連事業の計画が相次ぎ、工事に携わる作業員向けの宿泊施設の確保が緊急の課題となっています。この問題に対処するため、苫小牧市と北海道は先月、仮設宿舎の建設に関する規制緩和を求める提案書を内閣府に正式に提出しました。作業員の受け入れ体制を迅速に整備し、GX事業の推進を加速させたい考えです。

2030年稼働目指す大規模プロジェクト 最大1万2600人の作業員が必要に

苫小牧市内では現在、二酸化炭素(CO2)を回収して地中に貯留するCCS技術の事業化や、再生可能エネルギーで製造するグリーン水素の供給、アンモニア貯蔵施設の建設など、複数のGX関連プロジェクトが進行中です。これらの事業は2030年の本格稼働を目標としており、大規模な工事が予定されています。

市の試算によると、2028年には市内で働く作業員が1日最大で1万2600人に達すると見込まれています。このうち、約1万800人分の宿泊施設が必要となりますが、現状の市内の宿泊施設は約2000室に留まっており、深刻な不足が懸念されています。

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建築基準法の規制緩和を目指し 国家戦略特区の認定を提案

宿泊施設の不足解消に向けて、苫小牧市と北海道が注目したのが、作業員向け仮設宿舎の建設に関する建築基準法の規制です。同法では、仮設宿舎の設置を原則として工事期間中に限り、現場内に設置することが定められています。

市と道は、特定の地域や分野について規制を緩和する「国家戦略特区」の認定を受けることで、仮設宿舎を現場から離れた場所に整備したり、工事終了後に他の用途で再利用したりできるようにすることを提案しています。これにより、柔軟な宿泊施設の確保が可能になると期待されています。

鈴木知事も期待表明 交通渋滞緩和にも寄与

北海道の鈴木知事は3日の定例記者会見で、「国家戦略特区の認定が実現すれば、CCS事業やGX産業全体の推進に大きく寄与する」と述べ、規制緩和への期待を明確に示しました。

また、市の試算では、短中期滞在の作業員が増加することで、市内の主要地点の通行量が現在の最大約4.2倍に増加すると予測されています。宿泊施設の拡充は、こうした交通渋滞の緩和にもつながることが期待されており、地域全体の課題解決にも貢献する可能性があります。

苫小牧市企業港湾政策課は、「特区に認定されれば、ホテルや仮設宿舎の情報を一元的に集約し、効率的に宿泊先を確保できる体制の整備も検討したい」としています。GX事業の成功には、作業員の生活環境の整備が不可欠であり、今回の提案が早期に実現することが求められています。

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