熊本城石垣復旧、2052年度目標の長丁場 若手石工の奮闘と人材確保の課題
熊本城石垣復旧、2052年度目標 若手石工の奮闘と課題

全国各地で災害により被災した石垣の復旧作業が進む中、石工の確保が大きな課題となっています。2016年の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城では、熊本市が2052年度を目標に復旧完了を目指していますが、進捗に影響を及ぼしかねない状況が続いています。市は作業の長期化を見据え、地元の職人を積極的に登用するなど、人材育成に力を入れ始めています。

若手石工の奮闘と使命感

3日午前、熊本城の馬具櫓跡では、熊本市出身の石工、田中伸幸さん(25)が石垣の解体作業に汗を流していました。石工になって2年が経過した田中さんは、「熊本のシンボルである熊本城に、自分が手がけた石が残ることは、すごくやりがいがある」と胸を張ります。物作りに興味を持っていた田中さんは、知人の紹介で作業を見学したことをきっかけに、熊本城の復旧作業を請け負う中村石材工業(大阪市)に就職しました。

技術習得と仲間との切磋琢磨

入社直後は、小石や巨石を削って石垣の隙間に埋めやすい大きさに調整したり、石垣表面の築石に加工したりする作業を、手にマメを作りながら必死に覚えました。数か月後には、同じく熊本市出身で同学年の東龍弦さん(25)も加わり、二人で技術を磨いています。石垣の復旧は原状回復が原則で、不ぞろいの石を組み上げて形成しますが、場所によって形が異なり、どのように元に戻すかの「正解がない」とされています。「より早く、より強くしたい」という思いから、田中さんと東さんは日々切磋琢磨しています。

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復旧の規模と課題

熊本地震では、熊本城の全13棟の重要文化財が倒壊や一部倒壊などの被害を受けました。熊本市によると、表面積約7万9000平方メートルの石垣も、約3割(約2万3600平方メートル)が崩落するなどしました。被害額は425億円と積算され、城全体の被害額の67%を占めています。この大規模な復旧作業には、多くの石工が必要ですが、県外からの職人が多い現状で、地元人材の育成が急務となっています。

人材確保への取り組み

熊本市は、復旧作業の長期化を見越し、地元の若者を中心に石工の技術を伝承するプログラムを開始しました。田中さんのような地元出身の若手職人を積極的に登用することで、技術の継承と作業効率の向上を図っています。しかし、石工という専門職の需要が全国的に高まる中、人材確保は依然として課題として残されています。

熊本城の石垣復旧は、単なる工事ではなく、歴史的文化財を未来に引き継ぐ重要な使命を帯びています。若手石工たちの奮闘と、それを支える人材育成の取り組みが、2052年度の復旧目標達成への鍵となるでしょう。

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