大阪松竹座が閉館後に解体へ 松竹が取締役会で正式決議
大阪・道頓堀の歴史的劇場「大阪松竹座」(大阪市中央区)について、運営する松竹は2026年4月14日、閉館後に建物の解体工事に着手することを決めたと発表した。この決定は同日開催された取締役会で正式に決議されたもので、地元との調整が整い次第、具体的な解体作業が開始される見通しだ。
5月の公演を最後に閉館 老朽化が理由
大阪松竹座は、5月に予定されている公演を最後に閉館することが既に発表されている。閉館の理由として、松竹は昨年8月に設備の老朽化などを挙げていた。同劇場は1923年に大阪初の本格的洋式劇場として誕生し、約1世紀にわたり道頓堀の文化芸能を支えてきた。
1997年に舞台専用の劇場へと建て替えられた際には、「道頓堀の凱旋門」の愛称で親しまれたネオルネサンス様式の正面外観が保存され、歴史的景観を継承してきた。しかし、近年の施設の劣化が深刻化し、継続的な運営が困難と判断された。
建物の今後は未定だったが 解体方針が明らかに
松竹は今年3月末、閉館後も「今まで果たしてきた役割の歴史」を継続する必要性を強調し、道頓堀で「新たな文化芸能の発信拠点の実現」に向けて取り組む方針を示していた。しかし、具体的な建物の処遇については長らく明らかにされておらず、地元関係者やファンから関心が寄せられていた。
14日の決算会見で、松竹の秋元一孝取締役専務執行役員は、現在の場所で「一番望まれているのは劇場継続だということは認識しています。そういった可能性をできる限り追求する」と述べ、地域の期待に応える意向を表明した。ただし、現時点では解体が決定事項となっており、今後の展開が注目される。
「御名残四月大歌舞伎」でにぎわう 最後の公演へ
閉館を前に、大阪松竹座では「御名残四月大歌舞伎」が開催され、4月3日の初日には大勢の観客でにぎわった。5月末までの公演が最終となる予定で、多くの人々が歴史的劇場との別れを惜しんでいる。
松竹は、閉館後の土地活用について、新たな文化施設や商業施設の建設を含む複数の選択肢を検討しているとみられる。道頓堀のランドマークとしての役割をどう引き継ぐかが、今後の課題となりそうだ。



