春の訪れと共に、書店員が表紙に惹かれた新刊を厳選紹介
春らしい暖かな日が増えてきた今日この頃、新生活がスタートし、仕事や勉強に励む方も多いことでしょう。そんな中、書店員として日々本と向き合う筆者は、時折、表紙のデザインやタイトルに心を奪われ、思わず手に取ってしまうことがあります。今回は、そんな「ちょっと気になってしまった本」を、新刊の中から3冊ご紹介します。読書の楽しみを広げる一助となれば幸いです。
1冊目:植物園の美しさを描いた旅のエッセイ
まずは「植物園の歩き方」です。表紙のデザインが非常に魅力的で、自然と手が伸びてしまいました。著者の漫画家カシワイさんが、日本各地の「うつくしい」植物園への旅を、温かみのあるイラストと文章で綴った一冊です。登場した植物の図鑑や、植物にまつわるコラムも楽しめ、「野草と雑草って同じもの?」といった素朴な疑問にも答えてくれます。巻末には全国の植物園マップも掲載されており、読んだ後は春の陽気に誘われて、植物園を散歩したくなるかもしれません。監修は保谷彰彦氏、出版社はグラフィック社です。
2冊目:東西の味の違いを深掘りするグルメ本
次に「東西の味」をご紹介します。日本のど真ん中である愛知県に住む身として、タイトルが非常に気になりました。うどんなどの王道メニューに焦点を当て、日本の味の東西差や、それにまつわる歴史をしっかり考察しています。個人的には、ローカルフードの話が特に興味深く、あんかけスパゲティやちゃんぽんなど、今では各地で親しまれる「地元の味」が、誕生から様々な変化を経て現在の形になった過程が描かれています。おいしさを超えた味のロマンに思いを馳せ、出張や旅行の際にご当地グルメに挑戦したくなる一冊です。著者は稲田俊輔氏、出版社は集英社です。
3冊目:哲学用語を分かりやすく解説した図鑑
最後は「哲学用語図鑑 完全版」です。古今東西の哲学用語を、672ページにわたってぎっしり掲載した重厚な本で、いわゆる「鈍器本」として一瞬たじろいでしまいます。しかし、一見難しそうな用語も、かわいらしいイラストと共に分かりやすく解説されており、広く様々な思想に気軽に触れることができます。哲学は意外に身近にあふれており、決して小難しいだけではないと感じさせてくれます。「哲学って何?」という方ほどおすすめで、大人の教養本として、新社会人の方にも手に取っていただきたいですね。著者は田中正人氏、編集・監修は斎藤哲也氏、出版社はプレジデント社です。
書店員の日々の発見と読者へのメッセージ
様々なジャンルの本と日々接する書店員ですが、毎日新しい発見や本との出会いがあります。ぜひ書店に足を運び、たくさんの本に触れてみてください。そのお手伝いができれば嬉しい限りです。紹介した本は、丸善ヒルズウォーク徳重店で取り扱っています。同店は名古屋市緑区元徳重1の505、ヒルズウォーク徳重ガーデンズ地下1階に位置し、約20万冊の書籍と文具をそろえ、MARUZENカフェを併設しています。営業は年中無休で、時間は午前10時から午後9時30分まで、電話番号は052-846-2610です。(店長 高木美穂子)



