感謝状に込められた娘の思い 冷蔵庫に貼る「いてくれてありがとう」
感謝状に込められた娘の思い 冷蔵庫に貼る「いてくれてありがとう」

「いてくれてありがとう」。近所のスーパーで配っていた白紙の感謝状に、鉛筆で書いてある。小学生の娘から去年の母の日にもらったものだ。

幼い頃の記憶

私も小さい頃、母の日、父の日、敬老の日など、たぶん大人に促されて感謝の言葉を書いた。ある時、周りより高齢だった祖父母に向けて「おじいちゃんおばあちゃん、私が大人になるまで長生きしてね」とカードに書いたことがあった。受け取った祖母は涙を流して喜んでくれたが「決まり文句から選んで書いただけなのにそんなにうれしいの? なんだか悪いなぁ」と私は少し後ろめたい気持ちでいた。

祖母の喜び

いやぁ、うれしいものだね、ばあちゃん。あんなに小さかった娘が文字を使えるようになり、私に向けて選んだ言葉を一生懸命書いてくれた。折り目がつかないようにスーパーから大事に持ち帰り、部屋の隅でうずくまって首をかしげ天井を見上げ、たまに「見ないでね!」と私を牽制しつつ、強い筆圧で、大きな文字で。

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冷蔵庫の宝物

感謝状はわが家の冷蔵庫の一番目立つところに貼ってある。半分寝たまま台所に立つ朝、仕事を終え炊事と向き合う夕方、寝かしつけから家事に戻る夜、「いてくれてありがとう」のつたなくて強い文字は、いつも私の背筋を少し伸ばすのだ。

本田晴美(46) 大阪市城東区

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