部員4人で全国制覇の快挙 和歌山・箕島高空手道部が歴史を刻む
部員数わずか4人という最小限の体制で、全国の頂点に立った高校がある。和歌山県立箕島高等学校(有田市)の空手道部が、長野県で先月開催された全国高校空手道選抜大会の男子団体組手(3人制)で見事優勝を果たした。1992年の創部以来、初めての全国制覇という歴史的快挙である。
圧倒的な強さで連覇を阻む
3月23日から26日にかけて長野県松本市で開催された「JOCジュニアオリンピックカップ第45回全国高校空手道選抜大会」。男子団体組手の部には、全国の地方予選を勝ち抜いた17校が出場した。
チームは正選手3人と補欠1人の計4人で構成されるが、箕島高校はまさにこの出場可能な最低人数で大会に臨んだ。メンバーは主将の平木智大さん(17歳)をはじめ、森也真斗さん、松森大和さん、富山恭輔さん(いずれも17歳、新3年生)の4人である。
大会では、1回戦から昨年の覇者である東京の目黒学院が立ちはだかった。しかし箕島高校は、決勝までの全ての対戦で先鋒と中堅が2勝するという圧倒的な強さを見せつけ、見事に連覇を阻んだ。
逆境を力に変えた実践的な練習
創部以来、高校総体(インターハイ)の団体(5人制)で3回の入賞を果たし、2023年には部員の佐原優太朗選手が日本代表の主将を務めアジア大会で銅メダルを獲得するなど、実績を積み重ねてきた同部。最盛期には20人を超える大所帯だったが、近年は入学者数の減少に加え、部活動を敬遠する生徒も目立つようになり、最少時には部員が2人しかいない時期もあったという。
そうした逆境にあっても強さを維持できた理由の一つが、具体的な試合展開を想定した実践的な練習にある。平日の3時間の活動では、大会が近づくと相手とのポイント差や残り時間を設定した対戦を繰り返し行う。
さらに、少人数ならではの機動力を生かし、土日には週1回のペースで関東や九州など全国各地の強豪校へ遠征。今春で就任11年目を迎えた井本匠監督(32歳)らが部員を車に乗せ、出稽古に励んできた。
日本一の実感と次の目標
主将の平木智大さんは「努力が報われた」と喜びをかみしめ、「日本一を目標にして取り組んできたことが、試合で体現できた」と振り返る。4人は今月2日、有田市役所を訪れ玉木久登市長に優勝を報告した。
次の目標は、3人制よりも出場校が多い今夏のインターハイでの入賞。そのためには新入部員の獲得が不可欠であり、現在もそのために奔走している。
少子化や部活動離れが進む現代において、限られた人数で全国制覇を成し遂げた箕島高校空手道部の快挙は、多くの人々に希望と勇気を与えるものとなった。



