公務員の安定志向は本当か?リスク実験で民間社員と比較
2026年4月13日、公務員は安定志向でリスクを嫌うという通説を検証する興味深い研究結果が発表された。法政大学や東京大学などの研究チームが、日本の公務員と民間企業社員を対象に実施した大規模なネット調査で、リスクに対する態度の実態が明らかになった。
三つのリスク側面から詳細に分析
研究チームは公務員と民間企業社員それぞれ500人、合計1000人を対象に、高い点数を獲得するほど多くの報酬が得られる実験を実施した。この実験では、リスクを三つの側面から詳細に分析している。
まず第一に「分散リスク」、これは数多く試せば平均的に得られる結果(期待値)は同じだが、結果が一般的にばらつくタイプのリスクだ。第二に「ダウンサイドリスク」、これは悪い結果の側に不確実性(下ぶれ)が広がるリスク。第三に「テールリスク」、確率は低いがよくも悪くも極端な結果が生じ、ばくち度が強いリスクである。
参加者にはこれらの三つのリスク側面を探る実験を、1人あたり7回ずつ試してもらった。各リスクとも期待値は同じ点数となるように設計され、より安全な選択をした人をリスク回避タイプと定義した。
具体的な実験手法と評価基準
例えば分散リスクの実験では、Aを選ぶと20点か120点を得られるが、Bを選ぶと40点か100点を得られる場合を設定した。期待値はA、Bともに70点だが、最少のときのポイントはBが40点となりAの20点より高いため、Bを選んだ人をリスク回避タイプと判定した。
同様にダウンサイドリスクとテールリスクの実験でも、期待値は同じ点数となるように調整。下ぶれの広がりが小さい方や極端な結果にならない方を選んだ人を、リスク回避タイプとした。研究チームは公務員と民間社員それぞれで、リスク回避を平均何回選んだかを詳細に比較分析した。
通説を検証する重要な研究
公務員は安定志向でリスクを嫌うというイメージは広く浸透しているが、実際の行動特性を科学的に検証した研究は限られている。今回の実験は、財務省の庁舎が所在する東京都千代田区をはじめとする公務員と、様々な業種の民間企業社員を対象に実施された。
研究チームは、労働市場における人材の特性理解や、組織マネジメントの観点からも重要な知見が得られると期待している。公務員と民間社員のリスク選好性の違いが明らかになれば、人事政策やキャリア開発にも影響を与える可能性がある。
この研究は、従来の通説を実証データで検証する貴重な試みとして注目を集めている。公務員のリスク態度に関する詳細な分析結果は、今後の労働政策や組織心理学の研究にも貢献することが期待される。



