福岡空港、カスタマーハラスメント対策で全従業員保護へ 200事業者と基本方針を策定
福岡空港を運営する福岡国際空港(FIAC)は、航空会社や物販店など空港内で業務を行う約200の事業者と共同で、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の基本方針をまとめ、今月から運用を開始しました。この取り組みは、会社の枠を超えて、空港で働く全ての従業員をカスハラ被害から守ることを目的としています。
具体的なカスハラ行為の定義と組織的対応
策定された基本方針では、空港利用客による従業員への暴行や暴言、つきまとい行為に加えて、国籍や容姿に対する差別的言動、業務エリアへの無許可立ち入りなどを明確にカスハラ行為として列挙しています。そして、これらの行為に対して「組織的に対応する」ことを明文化しました。
FIACによると、各事業者は従業員が被害を確認した際、客の制止や警備員への通報を協力して行うことになります。さらに、悪質なケースでは警察などに相談し、厳正に対処する方針です。これにより、空港全体で一貫した対応が可能となります。
背景には自社の被害経験と事業者の切実なニーズ
FIACは、自社の従業員が土下座の強要や長時間にわたるクレームなどのカスハラ被害を受けたことを受け、2024年12月に自社向けの対策方針を策定していました。その後、空港業務に関わる事業者に対して聞き取り調査を実施したところ、回答した事業者の7割がカスハラ対策を求めていることが判明しました。
この結果を受け、単独での対策ではなく、空港全体として防止に取り組むことが決定されました。今回の基本方針策定は、そうした経緯を踏まえた組織的な対応の一環です。空港という公共の場において、働く人々の安全と尊厳を守るための重要な一歩と言えるでしょう。
福岡空港では今後、この基本方針に基づき、従業員への研修や啓発活動を強化するとともに、利用客への周知も進めていく予定です。これにより、より安全で快適な空港環境の実現が期待されています。



