大津市立幼稚園の大規模再編案が明らかに 園児数減少で最大17園へ縮小
大津市の市立幼稚園再編等検討委員会は、園児数の減少が続く市立幼稚園について、今年度からの10年間で現在の28園から最大で17園まで縮小する再編案を公表しました。市は夏頃の再編計画策定を目指しており、検討委員会が9日からパブリックコメント(意見公募)を実施するほか、今月中に市民向けの説明会も開催する予定です。
待機児童問題と幼稚園園児数の減少が背景に
大津市では、マンション建設などで子育て世帯の流入が続いており、待機児童数が2年連続で全国ワーストを記録するなど、保育ニーズの高まりに対応できていない状況が続いています。一方で、共働き世帯の増加により、市立幼稚園の園児数は2020年度の2358人をピークに、2025年4月時点には1523人まで減少しています。この結果、1学級の園児数が定員の半数にも満たない園も存在しています。
市が幼稚園教員の給与を保育士の水準に引き下げようとしている背景には、こうした保育園と幼稚園のニーズのギャップを解消するため、今年度から保育士と幼稚園教員を統合した「教育保育職制度」を導入したことがあります。この制度は、質の高い教育・保育環境の提供を目指す取り組みの一環です。
再編案の詳細と基本方針
市立幼稚園の再編を巡っては、市が昨年4月に検討委員会を設置し、有識者や園長らがメンバーとして参加しました。約1年にわたり再編の方向性や適正規模について議論を重ね、案をまとめました。
再編案では、目的として「子どもの育ちの場を確保するとともに、質の高い教育・保育環境の提供と保護者支援を目指す」と明記されています。就学前の子どもの健やかな成長のためには一定の集団規模が望ましいとし、園児数の適正規模を「教師が子どもたち一人一人に十分関わり、信頼関係が築ける」として設定しました。具体的には、4歳児は1学級20人以上、5歳児は25人以上で、各学年とも複数学級とすることが求められています。
また、3歳児の園児数が3年連続で15人を下回る場合は原則として再編の検討対象にする基本方針を示しました。ただし、社会情勢の変化に対応するため、計画の中間年にあたる2030年度に見直しを行うことも盛り込まれています。
具体的な再編スケジュールと対象園
具体的な再編計画では、市で最初の幼稚園として1888年に開園した大津幼稚園など12園は、2030年度までの間に3歳児の園児数が10人を下回る場合は近隣園などと統合すると想定されています。さらに、晴嵐幼稚園など4園は2031年から2035年度にかけて再編を検討する予定です。これらの措置により、市立幼稚園は最大で17園まで縮小される可能性があります。
再編対象とされた市立大津幼稚園は、開園が明治時代にさかのぼる歴史ある施設であり、地域にとって重要な役割を果たしてきましたが、園児数の減少が課題となっています。
今後のスケジュールと市長の見解
今後、パブリックコメントや説明会での意見を踏まえて検討委員会で結果を取りまとめ、6月をめどに市長や市教育委員会に答申する予定です。佐藤健司市長は8日の定例記者会見で、「園児数が10人以下のクラスが全体の3割を占めている状況を先送りするのは、子どもたちの健やかな育ちや学びにつながらないと確信している」と述べました。さらに、「市民の声をしっかりと受け止めて答申をいただき、再編計画に落とし込むことで市民や地域と議論する出発点にできれば」と話し、再編への積極的な姿勢を示しました。
この再編案は、大津市の教育・保育環境の将来像を描く重要な一歩として注目されています。市民からの意見募集を通じて、より多くの声が反映されることが期待されます。



