北海道森町のJR函館線森駅―石倉駅間で2024年11月、JR貨物の列車が脱線した事故について、国の運輸安全委員会は28日、事故原因をまとめた調査報告書を公表した。事故現場を通る貨物車の積み荷から漏れた海水の塩分でレールが腐食し、「強度が大幅に低下していた」と指摘。列車が通過した際にレールが破断したことが脱線の原因と結論づけた。
事故の概要
事故は2024年11月16日午前1時40分ごろに発生。名古屋から札幌へ向かっていた貨物列車(21両編成)が鷲ノ木道路踏切を通過中、5両が脱線した。乗員を含めけが人はいなかった。
レールの腐食状況
報告書によると、この踏切では下り線の右レールの一部が破断。破断箇所周辺の約4メートルにわたり激しい腐食が確認された。レールは「工」の字形状だが、車輪と接する「頭部」、土台の「底部」、これらをつなぐ「腹部」の幅がすべて縮小。特に腹部は最も細い部分で幅4ミリ(新品時は15ミリ)にまで減少していた。
原因と背景
踏切付近は近くの漁港関係の貨物車が頻繁に通行し、積み荷から海水が繰り返しこぼれたため、塩分でレールが腐食したと推定される。JR北海道は事故の2カ月前に行った音波検査で底部の腐食を確認していたが、「交換するほどの状態ではなかった」と説明。事故後、JR北海道は音波検査に加え、レールの腹部を目視で確認する方法に改めた。
今後の対策
運輸安全委は、JR北海道に対し、レールの腐食を早期に発見するための検査方法の改善を求めた。また、海水などの腐食性物質がレールに影響を及ぼす可能性がある区間では、より頻繁な点検が必要と指摘している。



