老舗酒蔵火災、火元は古いこうじ室か
福島県喜多方市の老舗酒蔵「笹正宗酒造」で1日に発生した火災について、喜多方警察署への取材で2日、全焼した酒蔵や倉庫のうち、使われなくなっていた古いこうじ室の燃え方が特に激しかったことが明らかになった。同署は、こうじ室が火元となった可能性が高いとみて、出火原因の詳しい調査を進めている。
国登録有形文化財6件が焼失
市の発表によると、敷地内にある国登録有形文化財8件のうち、店舗・主屋、貯蔵庫、酛蔵、槽蔵、文庫蔵、仕込蔵の6件が焼失したことも新たに判明した。一方、正門・塀と稲荷社の2件は焼失を免れた。市は文化庁に報告し、今後の対応を協議する方針。
実況見分と焼失面積
喜多方署と喜多方地方消防本部は同日、現場の実況見分を実施。全焼した酒蔵と倉庫などの計2棟の焼失面積は2943平方メートルに上った。延焼して壁など一部を焼いた隣接する一般住宅の焼失面積は現在調査中で、詳細は不明。
社長「再建が最大の恩返し」
火災から一夜明け、県酒造組合は笹正宗酒造の再建に向けて義援金を募る方向で検討を開始。同社の岩田悠二郎社長(39)は「仲間の酒蔵の行動力やお客さまの励ましの言葉に感謝する。再建することが最大の恩返し」と再起を誓った。
無傷の酒瓶や冷蔵庫の酒も確認
岩田社長によると、酒蔵には出荷を控えた約2万5千本の酒瓶が保管され、ほとんどが被害を受けた。しかし2日に現場のがれきを掘り起こしたところ、複数の酒瓶が無傷の状態で見つかったほか、全焼した蔵の冷蔵庫に瓶詰め前の酒が残っているのが確認された。岩田社長は「出荷することも検討している」と説明。今年は他の蔵を間借りしながら醸造を続け、再建に向けた準備も進める方針だ。
酒まつりでは予定通り販売
同組合は、6、7の両日に郡山市のビッグパレットふくしまで開催される「ふくしまの酒・味噌・醬油まつり」で、同社の酒を予定通り販売するという。



