2016年に発生した熊本地震から10年が経過したが、震源域から延びる「日奈久断層帯」やその周辺地域では、発生前と比べて地震の回数が約2~3倍と活発な状態が続いていることが、東北大学の遠田晋次教授(地震地質学)の分析で明らかになった。2026年5月28日、遠田教授はこの結果を公表し、熊本地震前の状態に戻るまでにはさらに10年程度かかる可能性があると指摘した。
日奈久断層帯の活発な活動
遠田教授は、日奈久断層帯が大きな活断層であり、活動が活発であると指摘。当面の地震発生確率について「公表されている確率よりもっと高い可能性がある」と述べた。日奈久断層帯は熊本県益城町から八代海に向けて南西方向に延び、長さは約81キロメートル。3つの区間に分かれており、熊本地震の前震で一部が動いた。政府の長期評価では、30年以内に一部区間でマグニチュード(M)7級の地震が発生する確率を「主な活断層の中では高い」と分類している。
統計解析の詳細
遠田教授は、熊本地震の発生から10年間の地震の大きさや分布などを統計解析。その結果、日奈久断層帯の周辺地域では、M1.5以上の地震が熊本地震前に比べて約2~3倍に増加していることが判明した。この活発な状態は、当面続く可能性が高く、地震活動が完全に収束するまでにはさらに10年程度かかるとみられる。
今回の分析結果は、熊本地震の影響が長期にわたって続いていることを示しており、今後の地震防災対策において重要な知見となると考えられる。



