長崎市は30日、長崎原爆の日(8月9日)の平和祈念式典で市長が読み上げる平和宣言文の素案を、起草委員会(委員長・鈴木史朗市長、15人)の第2回会合で提示した。素案では、米ニューヨークの国連本部で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議で成果文書が採択されなかったことに言及。核軍縮が進まない現状に強い危機感を示し、国際社会に対して核兵器廃絶への取り組みを加速するよう訴えている。
平和宣言素案の内容
素案には、核軍縮の停滞がもたらす危険性への懸念が盛り込まれている。特に、NPT再検討会議で合意が得られなかったことは、国際的な核軍縮努力の後退を示すものだと指摘。長崎市は、被爆地として核兵器の非人道性を改めて訴え、全ての国に対話と協力を通じた核廃絶を求める内容となっている。日本政府に対しては、唯一の被爆国として核軍縮を主導する役割を果たすよう強く求めている。
起草委員会での議論
会合は長崎原爆資料館で開かれ、出席した委員からは「大国による武力攻撃が行われている現状を指摘すべきではないか」などの意見が上がった。また、核兵器の脅威が現実のものとなっている中で、より具体的な行動を促す表現が必要だとの声も聞かれた。起草委員会は7月11日の最終会合で宣言文案をまとめる予定で、今後も議論を重ねて内容を詰める。
長崎市は毎年、原爆投下の日に平和祈念式典を開催し、市長が平和宣言を読み上げている。今年の式典では、核軍縮の困難さを直視しつつも、平和への決意を新たにするメッセージが発信される見込みだ。



