佐賀県警科捜研のDNA鑑定不正、4割弱が不適切 警察庁特別監察
佐賀県警科捜研DNA鑑定不正、4割弱が不適切

佐賀県警科学捜査研究所(科捜研)におけるDNA型鑑定の不正が発覚してから約9カ月。警察庁が4日に公表した特別監察の結果報告書は、元職員(懲戒免職)が単独で関わった鑑定のうち、4割弱が不適切だったと結論づけた。8年間に及ぶ不正は、どのようにして繰り返されたのか。その全容が明らかになった。

多岐にわたる不正の手口

43歳の元職員は2012年4月に県警に採用され、2015年からDNA型鑑定に従事するようになった。最初の不適切な鑑定は2016年8月。運転中の衝突事故で逃走した容疑者の車のエアバッグ鑑定で、作業日を変更するなどしていた。

DNA型鑑定は通常、以下の手順で進められる。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ
  1. 鑑定資料に唾液や血液などが付着しているか予備検査で確認し、必要な部分を切り出す。
  2. 唾液や血液などからDNAを抽出・精製し、増幅する。
  3. DNAを含む溶液を検査。分析装置の動作確認のため、DNAを含まない溶液も同時に検査する。
  4. DNA型を解析する。
  5. 書類を作成し上司の決裁を受け、結果を警察署などに回答する。
  6. 余った資料は警察署などに返却する。

特別監察によると、不適切な行為は①から⑥のほとんどの過程で確認された。①の作業すら行わずに「DNA型は検出されなかった」と虚偽の報告をしたり、血液などの付着がないとして鑑定作業を中止したが、不正発覚後の再鑑定でDNA型が検出されたケースもあった。

不正の背景と影響

盗難被害品の農作物をぬぐった検体についても、適切な鑑定が行われていなかった。元職員は上司のチェックを回避するため、虚偽の報告書を作成していたとみられる。この不正により、複数の事件で証拠の信頼性が損なわれ、再審請求や捜査のやり直しが発生している。

警察庁は再発防止策として、鑑定作業の二重チェック体制の強化や、外部監査の導入を提言している。佐賀県警の福田英之本部長は県議会で謝罪し、再発防止に全力を挙げると述べた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ