三重県御浜町の大畑覚町長(75)は、現在の任期(10月9日まで)をもって引退する意向を表明した。記者会見で「公約は全てやり切った」と述べ、3期12年の実績を強調したが、市木地区の消防車庫建て替えや志原地区の津波避難タワー新設を巡る問題は解決に至っていない。町議会側からは、一定の成果を評価する声がある一方、説明責任が果たされていないとの批判が根強い。
記者会見での発言
町役場の一室で28日に行われた記者会見で、大畑町長は「年齢的にも体力的にも限界を感じた。3期目の1年目から気になっていた」と引退の理由を語った。成し遂げた施策として、道路工事の推進、かんきつ産業の振興、小中学校の統廃合などを挙げた。
議会の反応
記者会見に先立って開かれた町議会全員協議会で、大畑町長は今期限りでの引退を議員に伝えたが、拍手はまばらだったという。ある議員は「小中学校の統合や保育園の移転は先進的に取り組んでいて評価できるが、定例会の一般質問の答弁が丁寧ではなかった」と評した。
未解決の問題
町議会の3月定例会では、町が建設を予定する津波避難タワーの位置などを議会側が問題視し、町一般会計当初予算案が否決され、修正を余儀なくされた。さらに、消防車庫の建て替えでは、隣接地の地権者との交渉が難航し、事業を一時断念。前払い金などとして支払った1500万円が無駄になったことが判明した。
議員の声
別の議員はこれらの問題が解決していないとし、「やめてうやむやになることはない。町民の苦難にもっと目を向けてほしかった」と話す。移住や研修の体制を整え、かんきつ農家への新規就農者が増えた点を評価する議員も「議員との情報共有や答弁で議会軽視が多かった」と残念がった。
今後の展望
後継の指名は考えていないとする大畑町長は、「立てた計画を確実に実行してもらえる人が望ましい」と次期町長への期待を語った。残りの任期約4か月で、大畑町長の姿勢が問われそうだ。9月の町長選では12年ぶりに新たな町政のかじ取り役が選ばれる。



