公正取引委員会は2026年5月29日、東京都港区に本社を置く資料作成代行会社「タイムウイッチ」に対し、フリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)に違反する行為があったとして勧告を行った。同社はフリーランスとの取引において、契約条件を明示せず、報酬を不当に減額していたとされ、減額分の総額約550万円の支払いや再発防止策の実施が求められている。
違反の内容と対象者
公取委の調査によると、タイムウイッチは2024年11月から2025年9月までの間、顧客から請け負った企画書作成業務や自社の経理事務を、国内外のフリーランス236人に委託していた。しかし、これらのフリーランスとの契約時に、納品先や報酬の支払期日などの重要な取引条件を書面やメールで明示していなかった。これはフリーランス法第3条(取引条件の明示義務)に違反する行為とみなされた。
さらに、このうち160人のフリーランスに対しては、「コンプライアンス対応費用調整額」などの名目で報酬から総額約550万円を差し引いていた。これは同法第4条(報酬の減額禁止)に抵触する行為であり、公取委は不当な減額として是正を求めた。
勧告の内容と今後の対応
公取委は、タイムウイッチに対し、減額分の全額をフリーランスに支払うこと、および再発防止のための社内体制の整備を勧告した。同社は勧告を受け入れ、改善措置を講じる方針とみられる。フリーランス法は2024年11月に施行された比較的新しい法律であり、今回の勧告は同法に基づく初期の執行事例として注目される。
公取委は今後もフリーランスを取り巻く取引環境の適正化を推進し、違反行為に対して厳正に対処する方針を示している。



