福島県いわき市の小名浜港において、大規模事業所の撤退や事業停止が相次いでいる状況を受け、市は28日、地域経済への影響を最小限に抑えるための組織「タスクフォース」を設置した。これまでの従業員の再雇用支援に加え、事業所の事業継続に向けた支援にも乗り出す方針だ。
背景:小名浜港での事業所撤退の現状
小名浜港では、三菱ケミカル小名浜工場が2027年3月末での撤退を発表したほか、小名浜製錬が同月で一部事業の停止を発表している。両事業所を合わせると約590人の再就職支援が必要となり、取引先企業への影響も懸念されている。市によると、これに加えて昨年は東邦亜鉛が亜鉛精錬事業から撤退し、堺化学工業が酸化チタン事業から撤退している。
タスクフォースの構成と役割
タスクフォースは、いわき市のほか、いわき商工会議所、いわき地区商工会連絡協議会、いわき公共職業安定所、福島県で構成される。さらに、市内の金融機関で構成される平金融団もアドバイザーとして参加する。主な役割として、事業所の新たな販路開拓支援や事業再構築に向けた支援を想定している。具体的には、7月上旬からニーズの調査に着手し、9月から本格的な支援を開始する方針だ。
市長のコメント
内田広之市長は28日の記者会見で、「厳しい国際競争の中で、産業の育成や再生に向けて知恵を絞っていきたい」と述べ、地域経済の立て直しへの決意を示した。市としては、単なる雇用維持だけでなく、事業所の事業継続や新たな産業創出にも力を入れていく考えだ。
今回のタスクフォース設置により、小名浜港周辺の経済活性化と雇用安定が期待されるが、国際競争の激化や産業構造の変化に対応するためには、さらなる施策が必要とみられる。



