いわき信用組合(いわき市)の職員が提案したことにより、自身の名義の口座が無断で開設されたとして、いわき市に住む女性が口座契約に基づく貸金約10万円について債務不存在の確認を求める訴訟を、福島地方裁判所いわき支部に提起したことが28日、代理人弁護士への取材で明らかになった。同日付で提訴されたこの訴訟では、口座の無断開設に加え、女性の個人情報が保証会社に流出した不法行為があったとして、信用組合に対して慰謝料5万円の支払いも求めている。
提訴の経緯と訴状の内容
訴状によると、2023年3月初旬ごろ、女性の親族が信用組合に融資を依頼した際、与信審査が通らなかった。信用組合の職員は代替策として、あらかじめ設定された限度額の範囲内で借り入れが可能な「当座貸越契約」がオプションとして付帯された女性名義の普通預金口座の開設を提案。同年4月に親族が女性に無断で女性名義の口座を開設した。
親族はこのオプションを利用して借入を行っていたが、限度額を超えた部分の返済ができなくなり、事情を知らない別の信用組合職員が女性に連絡して返済を求めたことから事態が発覚した。
信用組合の対応と女性の主張
信用組合は女性に対し、契約に基づく貸金9万9674円の返還を求めている。女性は口座開設に関与していないとして、口座の解約や親族への名義変更を求めているが、信用組合は「親族間の問題」として応じていない。
女性はまた、信用組合が口座開設の際、名義が無断で使用されていることを知りながら、契約に基づく貸金返還債務を保証する保証会社に氏名や生年月日、収入に関する経済的信用情報など、秘匿の必要性が高い個人情報を流出させたと主張している。信用組合は「訴状が手に入っていないのでコメントできない」としている。
信用組合を巡る不正融資問題
いわき信用組合を巡っては、預金者に無断で口座を偽造して架空融資を行う「無断借名融資」などの手法で約280億円の不正融資を行い、このうち9億4900万円を不正の口止め料などの名目で反社会的勢力に提供したことが明らかになっている。



