退職代行「モームリ」元代表ら、起訴内容認める「安易に考えた」
退職代行「モームリ」元代表ら、起訴内容認める

退職代行サービス「モームリ」を運営していた会社の元代表ら2人と同社に対する初公判が26日、東京地裁で開かれた。被告らは、弁護士法違反などの起訴内容を認め、「紹介先の弁護士に大丈夫だと言われ、安易に考えてしまった」などと述べた。

事件の概要

起訴状などによると、運営会社「アルバトロス」(横浜市中区)と元代表の谷本慎二被告(37)、妻で元従業員の志織被告(31)は、2023年から2025年にかけて、退職希望者計174人に関する法律事務を弁護士に紹介し、報酬を得ていたとされる。具体的には、二つの弁護士法人から1人当たり1万6500円の紹介料を受け取っていたという。

弁護士法が禁じる行為

弁護士法は、弁護士でない人物が報酬目的で、法律上の権利や義務に関する交渉を第三者に繰り返しあっせんする「非弁周旋」を禁じている。法律知識が不十分な人が関与すると、依頼者が本来の権利を主張できず不利益を被る恐れがあるためだ。

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資金の流れ

弁護士法人からの紹介料は、アルバトロス社が提携する労働組合「労働環境改善組合」への「賛助金」や「アフィリエイト広告業務委託費」として振り込まれていた。この巧妙な資金の流れが、事件の発覚を遅らせた可能性がある。

被告の主張

慎二被告は公判で、弁護士への退職交渉の紹介を始めた経緯について、「競合他社とのミーティングで、『自分たちではできない法律が関わる退職代行業務は弁護士に紹介し、紹介料をもらっている』と聞いた」と説明。同社の顧問弁護士(別途起訴)に相談したところ、「紹介料ではなく、労働組合への賛助金の形なら問題ない」と言われたと主張した。

被告は「違法だという認識はあったが、弁護士が言うなら大丈夫と安易に思ってしまった」と述べ、罪の意識の低さを露呈した。

社会への影響

退職代行サービスは近年、若年層を中心に利用が急増しているが、法律のグレーゾーンを突いたビジネスモデルが問題視されている。弁護士会は「非弁行為に当たる可能性がある」として注意を呼びかけており、今回の判決が業界全体に与える影響は大きいとみられる。

裁判は今後、証拠調べなどを経て、判決に至る見通し。被告らの刑事責任が問われるとともに、退職代行サービルの法的枠組みの整備が改めて求められそうだ。

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