法務・検察の「おごり」が招いた再審法案攻防の舞台裏 自民党部会で想定外の譲歩
法務・検察の「おごり」が招いた再審法案攻防の舞台裏

刑事裁判の再審制度を見直す政府法案を巡り、法務・検察と自民党の間で想定外の攻防が繰り広げられた。法務省幹部は朝日新聞の取材に対し、「世論と乖離していた。おごりがあった」と認め、自らの姿勢を反省する発言を行った。

法制審案の限界

再審制度の見直し案は、今年2月に法制審議会(法相の諮問機関)でまとめられた。通常の刑事裁判で提出されないまま検察や警察が保管する証拠が開示されにくい点や、再審開始決定後の検察の不服申し立て(抗告)で審理が長期化する問題の改善が焦点だった。

しかし、法制審案では証拠開示の範囲が限定され、検察の抗告禁止も見送られた。このため、「冤罪被害者の救済に背を向けた改悪だ」と批判が相次いだ。

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自民党部会での異例の展開

政府法案を国会に提出する前、自民党の事前審査で了承を得る必要がある。通常、部会は数回以内で終了し、法案が修正されることは稀だ。法務省幹部らは当初、「法制審の答申は変えられない」「最後は押し切ればいい」と強気の姿勢を見せていた。

ところが、3月下旬に始まった自民党の部会は異例の様相を呈した。多い時には数十人の議員が出席し、法務省幹部らと向き合った。議員の中には、法制審の議事録や法律の逐条解説を広げて詳細に確認する者もいた。

噴出した不信感

部会は非公開で行われたが、取材によると、議員からは法務・検察への不信感が噴き出した。

  • 「問題の本質は法務・検察が自分たちの過ちを認めないところにある」
  • 「反省がないから、てんで違う方向に行った法律を作っている」
  • 「法制審に法務・検察の意向に沿った結論を出させて、自民党を押し切ろうとしている」

部会は5月13日までに計11回、延べ30時間以上に及んだ。法務省は3度にわたり法案を修正。法務・検察にとっては想定を超える譲歩となり、冤罪被害者の救済には一歩前進した内容となった。

法務省幹部の反省

部会の了承を得た後、法務省の最高幹部は朝日新聞の取材に応じ、「世論と乖離していた。おごりがあった」と述べ、自らの姿勢を反省した。法務・検察は何を見誤ったのか。再審制度を見直す政府法案の国会審議を前に、法務・検察対自民党の攻防の舞台裏を検証する。

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