データセンターの法的定義欠如、国は自治体丸投げ 紛争続発で住民・有識者が制度整備を要求
データセンター法的定義欠如、国は自治体丸投げ 紛争続発

人工知能(AI)の急速な発展に伴い、データセンター(DC)の建設が全国各地で相次いでいる。しかし、建築基準法上、DCに明確な用途区分が存在しないため、事業者と地域住民との間で深刻な紛争が発生している。この問題は国会でも取り上げられたが、政府の対応は「責任回避」と批判されている。

国会での質疑応答、国交相は自治体任せ

衆院国土交通委員会で、共産党の畑野君枝議員は、DCの法的な位置付けを明確にするよう求めた。これに対し、金子恭之国土交通相は「業界団体や先進的な地方公共団体が策定したガイドラインを踏まえた取り組みが重要だ」と述べ、国として主体的に関与する姿勢を示さなかった。

法的定義の欠如が紛争の原因

現在、DCの事業者は建築確認の際、用途を「事務所」や「その他」と分類しており、これが立地規制の実質的な不在を招いている。千葉県印西市では、DC建設を巡り住民が民事訴訟を提起。原告代理人の及川智志弁護士は「法律が現実に追いついていない。DCはAI時代の工場だ」と指摘する。

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住民の訴えと業界の動き

原告の谷川宗和さんは「DC自体が不要とは言わないが、事業者に共生の姿勢がない」と批判。服部吉宏さんは経産省や環境省の対応不足も指摘する。一方、日本データセンター協会は5月1日、事業者向けの地域共生ガイドラインを公表し、住民との対話を促している。

安全性への懸念

国立情報学研究所の佐藤一郎教授は、AI対応DCでは電力消費増加に伴い、リチウムイオン電池の大量設置が必要となり、火災リスクが高まると警告。韓国では昨年9月、DC火災が発生している。

専門家の提言

京都大の大庭哲治教授は「DCは広域的な影響を持つ施設であり、政府が法体系を整備し、適地への誘導を図るべきだ」と主張。佐藤教授も「法的位置付けが不明確では税制優遇も難しい」と現状を問題視する。

AIの発展は人々の生活を豊かにするはずだが、そのために不利益を被る住民が生じている。政府は早急にDCの法的定義を明確にし、紛争防止と適正立地を図る責任がある。

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