少女監禁事件、児相が不登校把握も介入せず…学校と連絡取れず2年
少女監禁、児相が不登校把握も介入せず 学校と連絡2年取れず

東京都多摩地区の自宅押し入れに当時中学生だった少女を監禁したとして、両親と長兄、次兄の家族4人が逮捕された事件で、少女は3年間にわたり公立中学校に通っていなかったことが明らかになった。学校側は入学から2年もの間、家族と連絡を取ることができず、児童相談所も少女の不登校を把握していたものの、虐待の疑いで介入することはなかった。関係機関の対応は十分だったのか、疑問が投げかけられている。

母親は「しつけのため」と供述

警視庁は、逮捕監禁致傷などの疑いで両親と長兄、次兄を逮捕した(次兄は傷害と逮捕監禁罪で起訴済み)。逮捕容疑では、1月下旬に鍵付きに改造した押し入れに少女を複数回拘束し、床擦れや低体温症を引き起こしたとされている。捜査関係者によると、少女には軽度の知的障害があった。

少女は搬送時、骨折痕や多数のあざに加え、テープで体を巻かれた痕も確認された。兄弟の1人は「過去に父親から暴力を受け、指示に逆らえなかった」と供述している。両親は逮捕直後に容疑を一部否認し、その後は黙秘している。母親は逮捕前の聴取で「昨年9月ごろ、しつけのために押し入れを改造した」と話しており、警視庁は少なくとも同月ごろから両親主導の虐待が常態化していたとみている。

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中学校入学後、一度も登校せず

中学校の関係者によると、少女は小学生の頃から不登校の期間が長く、中学校入学以降は一度も登校しなかった。担任らは毎月、電話や家庭訪問を試みたが、2年間連絡がつかず、不登校の理由も把握できなかった。

中学校側が初めて電話で母親や少女と話せたのは昨年4月のことだった。「少女は登校に前向きだった」というが、直接会うことはできず、担任らが初めて自宅前で面会したのは12月上旬だった。その時、少女は痩せていたものの、けがはないように見えたという。母親はその場で「娘が反抗期だ」と話し、その後は再び少女らと会えなくなった。

今年1月28日、母親が「娘の体が冷たい」と119番通報。搬送先の病院から消防を通じて、虐待の疑いがあると警視庁に連絡された。

児相、通報から48時間以内の安否確認守られず

管轄の児童相談所は、その2日前の同月26日に第三者から虐待疑いの通報を受けていた。しかし、通報から原則48時間以内に安否を確認するという国の指針は守られず、少女と接触し一時保護したのは搬送翌日の29日だった。

児相は「不登校に関する情報は事前に把握していたが、虐待疑いとは捉えていなかった」と説明する。対応の詳細は個人情報保護を理由に明かしていない。国は虐待防止策として、居場所が分からない子どもの安否を学校や関係機関が確認するよう、自治体に繰り返し通知してきた。

不登校の子どもには学外からも対応できるよう、福祉の専門家「スクールソーシャルワーカー(SSW)」が各地の教育委員会に配置されている。今回、SSWが少女と連絡を取れた時期があったとみられるが、虐待に関する児相への通報はなかった。所管する教育委員会は取材に「個別の事案は回答できない」とし、具体的な説明を避けた。

専門家「児相も積極的に動くべきだった」

家族の近隣住民(88)は、母親が少女を含む子どもを連れて買い物から帰宅する姿を何度も見たという。平日の昼だったため不登校を疑ったが、「近所付き合いのない家族で、普段の生活は分からなかった」と話した。

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東京通信大学の才村純名誉教授(子ども家庭福祉論)は「今回、不登校が長期にわたり、学校側がほとんど会えていない。虐待がないという根拠がなければ最悪のケースを想定する必要がある。ただ、学校だけで抱えるのにも限界がある。立ち入る権限を持つ児相も積極的に動くべきだった」と指摘。児相職員やSSWらの人員不足も課題に挙げた。