化粧品販売員の中皮腫労災認定、支援団体が実態調査を要望
化粧品会社の販売員として働き、中皮腫で亡くなった宮城県の女性(当時68歳)が、アスベスト(石綿)の吸引が原因の可能性があるとして労災認定された問題で、支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京)は4月10日、勤務先だった資生堂ジャパンや厚生労働省などに対し、実態調査や健康管理体制の整備を求める要望書を提出しました。
女性の経歴と診断の経緯
女性は1974年3月から1977年6月までの約3年間、薬局などに出向いて化粧品を紹介する販売員として働いていました。2024年1月に体調を崩し、宮城県内の病院で石綿が主な原因とされる中皮腫の診断を受け、同年10月に残念ながら死亡しました。
労災認定と要望書の内容
仙台労働基準監督署は2025年12月、化粧品やベビーパウダーに含まれる石綿の吸入が原因の可能性があるとして労災認定を下しました。要望書では、潜在的被害が広範に及んでいる可能性があるとして、以下の点を強く求めています。
- 該当する製品の詳細な分析と成分調査
- 従業員や元従業員への包括的な健康調査の実施
- 健康管理体制の早期整備と予防策の強化
支援団体の指摘と今後の課題
家族の会によると、これまでに同様の相談が約100件寄せられており、問題の深刻さと緊急性が浮き彫りになっています。石綿関連疾患は潜伏期間が長く、過去の職業歴に基づく調査が不可欠です。今回の要望は、化粧品業界全体の安全基準を見直す契機となる可能性があり、国や企業の対応が注目されています。



