愛媛県警が導入した嘱託セラピー犬、犯罪被害者の心を癒やす取り組みが5周年
愛媛県警の嘱託セラピー犬、被害者支援で5周年 (11.04.2026)

愛媛県警の嘱託セラピー犬、犯罪被害者支援で5周年を迎える

愛媛県警が全国に先駆けて導入した「嘱託セラピー犬」制度が、今春で丸5年を迎えました。この制度は、犬が犯罪被害者やその遺族らに寄り添い、傷ついた心を癒やすアニマルセラピーを提供するもので、県警は先月、その貢献をたたえて感謝状を贈りました。被害者支援への期待が高まる中、犬たちの訓練の様子を取材しました。

セラピー犬の高度な訓練とその効果

松山市土居町の「ドッグガーデンでぐま」では、セラピー犬の訓練が行われています。飼い主の指示に犬たちがピタリと動きを止める様子は、その練度の高さを物語っています。例えば、好物の餌を見せられても勝手に動き出すことはなく、目の前を犬が通り過ぎても反応しないようにしつけられています。

アニマルセラピーは、動物とのふれあいを通じて心が安らぎ、痛みやストレスが緩和される効果があるとされています。医療や介護の分野で活用されてきたセラピー犬を、愛媛県警は2021年度に導入し、犯罪被害者や遺族らの精神的ダメージを和らげ、元の暮らしに戻るサポートを目指しています。

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嘱託セラピー犬の活動と訓練の重要性

県警の嘱託セラピー犬は、一般家庭で飼われるペットが選ばれ、犯罪被害者支援室が窓口となって被害者らの要望に応じて派遣されます。2025年度には、広報目的も含めて延べ17頭の嘱託セラピー犬が活動し、被害者らと一緒に散歩するなどの支援活動は10件に上りました。

現在、ドッグガーデンでぐまでは20頭がセラピー犬のための特別講習を受けており、「K9Japan」が教室を運営しています。講師の永木光さんらの指導を受けた犬と飼い主は、試験を経て嘱託セラピー犬として認定されます。認定後も、様々な刺激に慣れさせるため、月に1回以上の訓練を継続しています。

K9Japanの鳥飼和樹代表によると、被害者支援に携わるセラピー犬には、通常のセラピー犬よりも多様な訓練が必要です。通常のセラピー犬は屋内など活動場所が限定されるのに対し、被害者支援では公園を散歩するなど範囲が広がるため、車の音や野良猫などの外界の刺激に興奮しないようにする訓練が重要になります。

感謝状贈呈と被害者支援の実績

3月17日、県警は被害者支援に貢献したとして、嘱託セラピー犬と飼い主、K9Japanに感謝状を贈りました。表彰されたのは、トイプードルとキャバリアのミックス「チョコ」、ゴールデンレトリバー「ラブ」、トイプードル「未空」の3頭です。制度開始からの5年間で、これら3頭が携わった被害者支援と広報活動は延べ約80回に及びます。

チョコの飼い主である宇和島市の会社員、上田恵理子さんは、被害関係者の男の子がチョコと公園で散歩した後、家族から「久しぶりに子どもの笑顔を見た」と聞いたことが忘れられないと振り返ります。未空の飼い主である東温市の西尾美智子さんは、「犬は言葉を話せないけど、そばで触れて体温のぬくもりを感じたり、散歩をしたりするだけで気持ちが和らぐ。これからも心を閉ざしている人への癒やしになれたら」と語っています。

この取り組みは、愛媛県警が犯罪被害者支援の新たな手法として定着させつつあり、今後もセラピー犬の活躍が期待されています。

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